治療文化の考古学(アルケオロジー)臨床心理学 増刊13号
治療文化とは何か?--歴史的事象と文書(アーカイヴ)にさかのぼり、未だ明かされざる「治療文化の系譜」を探り当てる知の考古学(アルケオロジー)。
3つの対談ーー第1対談「治療文化の考古学(アルケオロジー)」(森岡正芳+江口重幸)、第2対談「傷と回復の「時」」(宮地尚子+森茂起)、第3対談「語りが公共圏を拓く」(岸政彦+東畑開人)--を基軸に、心理臨床に変革をもたらす複数の転回(生態学的転回+身体論的転回+情動論的転回)、医の論理(ロゴス)と生の倫理(エチカ)の抜き差しならない関係、傷と回復の多面的相貌、生存へと向かう制作=芸術(ポイエーシス)、親密圏から公共圏へとひらかれるケアを問う。
臨床心理学から精神医学へと至る「臨床の知」は、史学・哲学・文学・社会学をはじめとする「人文の知」との対話を通じて飛翔するーー
I-総論
痕跡から構想する力ーー企画にあたって/森岡正芳
II-治療文化の考古学(アルケオロジー)
対談1|文化を書くーー見出された痕跡/象られていく星座/森岡正芳+江口重幸
心理臨床の生態学的転回(ecological turn)--生命的なプロセスとしての〈心〉/村澤和多里
心理臨床の身体論的転回/野間俊一
III-知の情念=受苦(パトス)
心理学の情動論的転回(affective turn)--スピノザからヴィコツキー/神谷栄司
情動論的疾病の時代にエモーショナルであることーー情動論的転回から心理臨床へ/田澤安弘+歌音
アフェクトゥスの問題圏/箭内 匡
パトスの知ーーヴィクトーア・フォン・ヴァイツゼカー/丸橋 裕
感情史とは何か/森田直子
IV-医の論理(ロゴス)と生の倫理(エチカ)
医療と宗教と心理学は出会えるのかーーエマニュエル運動と『Psychotherapy』講座/江口重幸
病み,生きる,身体ーー身体医学史/田中祐理子
対話と倫理ーー正しさの在処/宮坂道夫
不確実性と終わりなき意思決定ーーアトピー性皮膚炎患者の事例から/牛山美穂
弔いの時間ーーカイロス(永遠の時間)/岸本寛史
V-傷と回復
対談2|傷と回復の「時」--トラウマの時間論/宮地尚子+森 茂起
貧困地域の考古学ーー西成の歴史,外国,障害,子育て支援/村上靖彦
トラウマ・スタディーズと批判的障害学を接続する/菊池美名子
VI-生存への制作(ポイエーシス)
「生存の美学」--フーコーのエートス/慎改康之
「暴力の予感」と,証人になることーー「朝霞」,アルピジェラ,帰還兵/松村美穂
コミュニティを創造するーー芸術のポイエシス/吉川由美
描く(書く)こと,生きること,死ぬこと/みやざき明日香
VII-ケアの公共圏ーーコラボレーション/イノベーション
対談3|心と社会ーーいずれが前景で,いずれが後景か/岸 政彦+東畑開人
〈ケア〉とは何か?--横臥者たちの物語/小川公代
ひとり生きるためにーーケアされる自由のエスノグラフィ/高橋絵里香
食事行為の緊張と緩和ーー縁食空間のケアについて/藤原辰史
権威に背を向けてオルタナティヴ医療を貫く患者たち/服部 伸
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