なぜ宇宙は在って、自分は居るんだろう?
この素朴な疑問は、幼児がなんでも指差して「これなあに?」と訊ね、やがて「なぜ?」を繰り返すようになるのと本質に於いて変わらない。20世紀の科学は、宇宙の創生から始まり、生命が進化し、人類が文化を築いていく過程の詳細を明らかにしてきた。しかし宇宙・生命・文化は分野ごとに分けられ、異なる視点で語られているため、冒頭の問いに答えるのは難しい。
「これ」プロジェクトは、宇宙・生命・文化を一つの進化の流れとして捉えることによって、その問いに答えることを目指す。同時に、その進化の先で人類はどうなって行くのか、いまなにをすればよいのか考える。Liberality Series は、分野や既存の知識に捉われず、関心のある人が集まり、話し合いながらこのプロジェクトを推めて行くための場になるために発刊された。
雑念集「これ」はその第一巻である。合同会社Liberality が開く対話型「科学サロン」の資料として作られた。この「科学サロン」は、なぜ宇宙は在って、自分は居るんだろうという冒頭の問を、科学的な視点から一緒に考えるところである。この小冊子は、それを手にして関心をもった誰もが、直接またはオンラインで参加でき、そこでの会話を通して修正、改訂を重ねながら、冊子自身が成長していくことが前提とされている。参加者が協働で作り上げていくことによって、進化する文化がそこで創られ、実践されていければ幸いである。
[著者]
齋藤 曉(さいとう さとる)
1940年に東京で生まれ、1969年米国Wisconsin大学でPhD(素粒子理論)取得。東京都立大学理学部教授を経て現在は合同会社Liberality 代表として「科学サロン」を主催。
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