江戸時代後期にはじまった落語では、「日々を楽しく暮らすこと」を信条とした江戸っ子の機転と人情が、
旬の「ささやかなご馳走」とともに数多く描かれる。
鰻屋とその隣人の勘定をめぐるおかしな掛け合い、貧乏な若夫婦の夕飯が芋のみなのが可哀想と、気前よく自分たちが食べる米の飯まであげてしまう噺……。
春は筍、夏は鰻、秋は秋刀魚、冬にはうどんにねぎま鍋。季節の食を楽しんだ江戸っ子の粋。
《目次》
はじめに
第一章 新春──お正月を飾る庶民のご馳走
一、「かつぎ屋」 雑煮
二、「厄払い」 豆
三、「明烏」 赤飯と甘納豆
四、「王子の狐」 串鳥と玉子焼き
五、「初天神」 団子
第二章 春──旬を食せば……
一、「長屋の花見」 花見の重箱
二、「おせつ徳三郎」 長命寺の桜餅
三、「しわい屋」 梅干
四、「筍」「二十四孝」 筍
五、「あたま山」 さくらんぼ
第三章 初夏──初物を食べる
一、「髪結新三」 鰹
二、「茄子娘」 茄子
三、「酢豆腐」 体裁のいい酒の肴
四、「唐茄子屋政談」 唐茄子
五、「佃祭」 梨
第四章 夏──酒の肴の定番料理
一、「青菜」 鯉のあらい
二、「馬のす」 枝豆
三、「鰻の幇間」 鰻
四、「鰻屋」 胡瓜のコウコ
五、「かんしゃく」 アイスクリーム
第五章 秋──実りの秋とは言ったものだが……
一、「目黒の秋刀魚」 秋刀魚
二、「徳ちゃん」 芋
三、「いが栗」 栗
四、「鹿政談」 卯の花
五、「艶笑小噺」「風流志道軒」 松茸
第六章 冬──鍋にまつわる、あれやこれや
一、「うどん屋」 うどん
二、「ねぎまの殿様」 ねぎま
三、「二番煎じ」 猪の肉
四、「鰍沢」 玉子酒
五、「らくだ」 河豚
終 章 江戸の食文化を知るその他の落語
一、江戸のファストフード「蕎麦」
二、通夜のご馳走
三、魚を食べる
四、婚礼・祝い事
五、菓子 羊羹・まんじゅう
あとがき
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