ヨーロッパの地政学
: ジャン=シルヴェストル・モングルニエ/中村 雅治
ギリシアの女神に由来するヨーロッパという言葉が地理的な語として使われるようになったのは、大航海時代以降である。「ヨーロッパという概念は、こうした偉大な事業に乗り出した人びとが、新たに発見された大陸を前にして、自己のアイデンティティを獲得し、またそうした世界との差別化を図る手段であった」(ジュリアン・フロイント)。
ヨーロッパとはいかなるものか? 著者はまず地理的な特徴や文化的要因から輪郭を示す。次に、第二次世界大戦後、複数の多国間協力システムが設立され統合が実現したが、ヨーロッパのほとんどが加盟しているEUがグローバル・アクターとなりえない原因は何なのかを考察し、最後に、さまざまな脅威の交錯する地点に位置するヨーロッパが、その脅威にどう対処するのか、その方策を探る。
ヨーロッパの役割とは何か? そしてどこへ向かうのか?
主要略語表
序章
第一章 ヨーロッパの輪郭とアイデンティティ
I 地政史学と長い時間
II アジアに向かって開かれた大陸
III 精神的姿としてのヨーロッパ
第二章 グローバル・アクターとしてのEUの限界
I 成立したヨーロッパー政治的野心と大市場の間
II 汎ヨーロッパ連邦であっても、「ヨーロッパ=強国」ではない
III 防衛共同体としてのヨーロッパとヨーロッパの防衛とは違う
第三章 挑戦、脅威、応答ーパワーのさまざまな尺度
I ヨーロッパにのしかかる脅威
II ヨーロッパに不利な状況と長期的な傾向
III 超人が跋扈する世界における可変翼のヨーロッパ
結論 ヨーロッパよ、あなたはどこへ行くのか
欧州政治共同体の展望
関連年表
訳者あとがき
参考文献
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