地上の激動から天空のオーロラ観察まで
読解に半生をかけた著者による『明月記』案内
藤原定家の記した『明月記』は56年にわたる克明な記録であり、歴史的価値の高いものであるが、難解な漢文で書かれており理解は容易でなかった。本書では『明月記』に平易な解説がほどこされており、誰もが『明月記』をとおして中世の世相や風俗を知ることができるよう配慮されている。
はしがき
序 『明月記』転変八百年
1 俊成の五条京極亭焼亡ーー洛中の火災頻々
2 俊成と子女たちーー一夫多妻時代
3 世界が驚いた天文記録ーー大流星・超新星
4 紅旗征戎は吾が事にあらずーー乱逆の軽視
5 高倉院崩御ーー末代の賢王を慕う
6 剛毅の女房の生涯ーー健御前の『たまきはる』
7 九条家四代に仕えるーー浮沈を共にする主家
8 定家の家族と居宅ーー西園寺家との縁組
9 荘園経営の苦労ーー横領・地頭・経済生活
10 式子内親王と定家ーー「定家葛」の伝説を生む
11 後鳥羽院と定家ーー緊張した君臣関係
12 熊野御幸に供奉ーー山岳重畳、心身無きがごとし
13 官位昇進に奔走ーー追従・賄賂・買官・婚姻
14 日記は故実・作法の記録ーー殿上人の日々
15 禁忌・習俗ーー穢を忌む
16 南都・北嶺ーー紛争止まぬ武闘集団
17 救いを求めてーー専修念仏・反念仏・造仏・写経
18 「至孝の子」為家ーー後鳥羽院の寵・承久の乱前夜
19 承久の乱ーー「武者の世」成る
20 文界に重きをなすーー古典書写・新勅撰集
21 群盗横行の世ーー天寿を全うしがたきか
22 京洛の衰微ーー焼亡ありて造営を聞かず・豪商
23 寛喜の大飢饉ーー路頭の死骸数を知らず
24 定家の身辺事ーー病気・保養・楽しみごと
25 世事談拾遺ーー定家の説話文学
明月記抄ーー定家年齢譜
参考文献
あとがき
人名・事項索引
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