【POD】中国人はなぜカレーを食べるようになったか
近年、日本の外食産業の規模は年々縮小している。特に少子高齢化の進展し、商圏内での競合が激化するなか、外食企業の中には国内での売上高の増加が困難と判断し、海外へ進出する傾向がこの数年、目につくようになってきていた。一方で、海外では日本食は「健康的」、「高級」というイメージから高い人気がある。最近の状況では、日系外食産業は中国をはじめとするアジアへの進出が加速している。日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、中国は人口が多く、日本に近く、市場の成長性が大きいという理由により、中国への進出が圧倒的に多い。しかし、現状まで中国市場において日系外食企業は黒字を実現する企業がそれほど多くない。吉野家、サイゼリアなど中国ではかなりの店舗が展開しているが、まだ赤字が実現されていないままである。更に王将の餃子など失敗して、中国から撤退した企業も少なくない。 そうした中で、最近、ハウス食品の成長が注目を浴びている。ハウス食品は2005年に、主力商品「バーモントカレー(中国版名称:百夢多)」の販売を始めた。同年、中国での売上高は760万元であったが、2013年に人民元ベースで1億6000万元(約27億円)、8年間に約16倍も伸びている。ハウス食品の調査によると、中国全土に一世帯は少なくとも一回だけカレーを買ったことがあるという。中国市場では多くの日系外食企業が苦戦しているにもかかわらず、なぜハウス食品は急成長を実現できたのか、なぜカレー文化のなかった中国にそこまでカレーを浸透させることができたのかについて追及したい。 私は中央大学ビジネススクールの服部先生の「対中投資戦略論」講義の中でハウス食品(中国)投資有限会社の羽子田社長からの講演を聞き、ハウス食品の中国事業の展開に非常に興味を持ち、成功の因果関係を研究したいと思っていた、ハウス食品の中国事業の成功は最近のことでもあり、それについての研究および文献がほとんどない。そのため、服部教授の推薦とアレンジのもとで、ハウス食品の東京本社を訪問し、また現地の上海にあるハウス食品(中国)投資有限会社を訪問し、羽子田社長並びに現場の従業員の方々にインタビューし、ハウス食品の工場、売場など調査した。さらに日系外食産業の中国事業の現状を考察するため、吉野家、サイゼリア、花丸うどんなどの関連企業も訪問し、本書にまとめた。
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