曹洞宗の開祖・道元は、留学先の宋で二人の老典座(禅寺の食事を調える役僧)に出遭い、日常のすべてが仏道修行であり、そこに本務と雑務の区別がないことを悟る。そして帰朝後、日本最初の禅道場を開創するに際し、他の清規(修行僧のための規範)に先駆けて、仏道から「食」を論じた『典座教訓』を著す。本書は、その原典・書き下ろし・現代語訳・解説から成る。著者は道元思想に寄り添いつつ、食事を作ることを通して、いのちの深みや禅心を説く。「食」に携わる人びと、ひいては「食」を享けるすべての人に、今、読まれるべき一冊である。
レビュー(0件)