「苦しみ」の理由を問い直すために
医療人類学からの提言
保健・医療・福祉の専門家が抱える職業ゆえの葛藤を、正面からテーマにしたユニークな「医療人類学」論文集。
医療人類学の研究者にとどまらず、医師やセラピスト、ソーシャルワーカーと多彩な執筆陣です。
「医療人類学」は、病気をめぐる患者の苦悩が主要な研究テーマでした。本書はその枠組から踏み出し、専門家の苦悩をテーマにしています。
専門家が直面している「モヤモヤとした得体の知れない苦しさ」の理由を、多様な角度から丁寧に考察。
苦悩を避けたり否定したりするための思考ではなく、自分の感じている苦しみと向き合うことが、(もう一方の当事者である)患者の苦しみに近づくための「希望へと繋がる道」であることを提言しています。
また、人類学特有の臨場感あふれるフィールドワーク事例を用いることで、当事者の想像力をかきたてる興味深い医療現場の姿を浮かび上がらせ、いっそう深い患者理解のための示唆に富んだ内容になっています。
医師・看護師・セラピスト・福祉士など、保健・医療・福祉にかかわるすべての専門家に幅広くおすすめできる一冊です。
◆医療専門家の苦悩をいかに解き明かすか?
◆ケアはいつケアとなるか〜原サファリングと二次サファリング
◆生活の場からの発想〜医療システムと生活知
◆医師の役割意識と苦悩
◆理学療法士のサファリング〜専門家と生活者とのはざまで
◆「かかわりの専門職」の体験する苦悩と可能性
◆「ご遺体」は最初の患者である
◆葬儀業の仕事にみる専門家のケアとサファリング〜死と葬儀をめぐる職業的機制の観察から
◆現代の対人援助専門職のサファリング〜多職種連携のインターフェースに着目して
◆「適度な距離」の模索〜医療専門家のサファリングの創造性
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