日本の地域別最低賃金の上昇が続いている。この状況を受けて、特集では最低賃金と生計費の関わりに改めて着目し、諸外国の動向にも目配せしつつ、最低賃金制度に根本的な考察を加える。一方、小特集1では雇用管理区分の再編とジェンダー、小特集2では働き方の多様化と労働者性の関わりについて検証し、特集と合わせて現代日本の労働問題分析に有益な視点を提供する。その他、意欲的な研究論文および書評を掲載。
【巻頭言】就労支援を豊かにしていくにあたって考えたこと(福原宏幸)
【特集】最低賃金制度をめぐる現状と課題
〈特集趣旨〉座長報告:最低賃金制度をめぐる現状と課題(吉村臨兵)
最低賃金制度の再考:生計費視点からの見直し(中澤秀一)
最低賃金による雇用喪失効果と政策の連携(山縣宏寿)
法定最低賃金と労使関係:国際比較による検討(岩佐卓也)
【小特集1】雇用管理区分の統合と再複線化はなにをもたらしたか:小売業A社の事例から
〈小特集1趣旨〉小特集に寄せて(大槻奈巳)
小売業A社の雇用管理区分の統合と再複線化の背景:ステップアップする「意欲」とジェンダー(金井郁・篠田信幸)
正社員登用にみるジェンダー格差の要因:小売業A社における登用基準、業務内容、職場文化からの考察(駒川智子)
転勤の有無による雇用管理は妥当なのか(大槻奈巳)
【小特集2】多様な経営形態における非正規労働者:コンビニ・オーナー、会計年度任用職員、公設民営
〈小特集2趣旨〉小特集に寄せて(渡邊幸良)
コンビニ加盟店におけるパートタイム労働者管理の実態とオーナー・家族の働き方への影響(仲地二葉)
地方公務員の非正規化:会計年度任用職員制度は何をもたらしたのか(上林陽治)
公設民営の男女共同参画センターにおける相談員の給料規定要因(横山麻衣)
【大会若手研究者優秀賞】〈第146回大会〉
「労働市場の二重性」をめぐる議論と圧縮された近代化(鈴木恭子)
【投稿論文】
公務労働組合運動に対するアメリカのコミュニティ・オーガナイジングおよび社会運動的労働運動の影響(伊藤大一)
【書評】
島内高太著『企業内訓練校の教育システム:連携と共育による中核技能者育成』(評者:谷中善典)
岡本祥浩著『居住困窮の創出過程と居住福祉』(評者:所道彦)
禿あや美著『雇用形態間格差の制度分析:ジェンダー視角からの分業と秩序の形成史』(評者:今井順)
小野太一著『戦後日本社会保障の形成:社会保障制度審議会と有識者委員の群像』(評者:中尾友紀)
朝日吉太郎著『現代資本主義と資本・賃労働関係』(評者:石塚史樹)
全泓奎著『貧困と排除に立ち向かうアクションリサーチ:韓国・日本・台湾・香港の経験を研究につなぐ』(評者:金子充)
SUMMARY
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