今月9月3日放送、ラジオ「RKKラジてん文化局」で、「SF担当_蔦屋書店嘉島」さん、のおススメで、「伊藤計劃」先生の「虐殺器官」を取り上げていたので、興味を持ち、「虐殺器官 新版」を購入!読みました・・・。 もう皆様のレビュー、で語られているので・・・自分流? 第一部、「SOPMOD 」はM4系?「HK416」か「SIG MCX」か?弾薬は「.223Rem」か「.300Blakout」か?などが気になってしまいますが(カバー「表紙絵」では、全く違うよう?です・・・「ホロサイト」と「フォアグリップ」は今風?かちょっと古風?か)「50口径」は「50口径」、「AK」は「AK」のまま・・・。納得、です。このような「略語」が「適切」で、「時代性」と「普遍性」を両立している、と思います。 第二部、「舞台」の背景の説明と「ヨーロッパ」に舞台を移し、「カフカ」の伏線、「言語に対するこだわり」と「器官」が対話に上る。 第三部、「繰り返される悪夢」と「自由の酒場?」、「真打」登場!で哲学的対話と活劇が続く・・・。 第四部、舞台は、「インド」へ。あらたに「舞台」の背景の詳細がわかり、「活劇」中心の「部」。「近未来SF」の「現代」との地続き、でありながら、「SF的テクノロジー」の進化、により、「戦慄」の戦闘描写。やはり「SF的、哲学的」対話も・・・。 第五部、そしてエピローグ。舞台は、「アフリカ」で「核心」に迫る「対話」と「戦闘」の非情さ・・・。そして、衝撃、の「ラスト」。「SF的」でありつつ「リアル」感あふれる「近未来SFテクノロジー」にやはり「戦慄」。そして正反対なはずなのに、漂う「穏やかさ」。 最後に平成の「怪物」作、「ターニングポイント」作、とおススメ!していただいた「SF部長」殿(「SF担当_蔦屋書店嘉島」さん)と、この作品を世に出していただいた「早川書房」の担当者様、の御慧眼、と天国にいらっしゃる「伊藤計劃」先生に感謝して終わりたいと思います・・・。,発想、構成、オリジナリティー、そして読ませる力に関しては文句のつけようもない。100点満点で200点をつけたい。 初投稿時、某SF巨匠により「虐殺器官をより具体的に描写してほしい」やらなんやら指摘され、受賞とならなかったようだが、私はそうは思わない。 本誌に登場する「虐殺器官」は、潜在意識に関わるというその性格上、具体化すればするほど、おそらくその効力を減ずるからだ。 リアリティに富む精緻な描写と筆力で一気に引き込まれ、読後もある種爽快だ。 しかし、読後、改めて内容を咀嚼すると、大きな穴が二つほどみえる。 1)暗殺を旨とする狙撃者が、身柄を捕獲された後、敵や標的とあそこまでべらべらしゃべることはありえない。「標的がしていることは、結局狙撃者が薬物やカウンセリングで受ける(脳)感覚のマスキングと同じことである」という点を対比させたかったのであろうが、狙撃者が、そのような処置を受ける戦闘員であればあるほど、標的とここまで親密に「激論」することはありえない。 2)同様の理由で、狙撃者がその任務を損なうほど単一の女性に傾倒することはない。主役のような高度な暗殺者は、狙撃者同士、もしくは機関によって監視・コントロールされているはずである。 上記に点ほど、物語の進行上、不可欠な要素であることは理解する。それだけにますますこれらの穴の大きさを意識せずにはいられなかった。
レビュー(250件)
処女作にして時代の「ターニングポイント」
今月9月3日放送、ラジオ「RKKラジてん文化局」で、「SF担当_蔦屋書店嘉島」さん、のおススメで、「伊藤計劃」先生の「虐殺器官」を取り上げていたので、興味を持ち、「虐殺器官 新版」を購入!読みました・・・。 もう皆様のレビュー、で語られているので・・・自分流? 第一部、「SOPMOD 」はM4系?「HK416」か「SIG MCX」か?弾薬は「.223Rem」か「.300Blakout」か?などが気になってしまいますが(カバー「表紙絵」では、全く違うよう?です・・・「ホロサイト」と「フォアグリップ」は今風?かちょっと古風?か)「50口径」は「50口径」、「AK」は「AK」のまま・・・。納得、です。このような「略語」が「適切」で、「時代性」と「普遍性」を両立している、と思います。 第二部、「舞台」の背景の説明と「ヨーロッパ」に舞台を移し、「カフカ」の伏線、「言語に対するこだわり」と「器官」が対話に上る。 第三部、「繰り返される悪夢」と「自由の酒場?」、「真打」登場!で哲学的対話と活劇が続く・・・。 第四部、舞台は、「インド」へ。あらたに「舞台」の背景の詳細がわかり、「活劇」中心の「部」。「近未来SF」の「現代」との地続き、でありながら、「SF的テクノロジー」の進化、により、「戦慄」の戦闘描写。やはり「SF的、哲学的」対話も・・・。 第五部、そしてエピローグ。舞台は、「アフリカ」で「核心」に迫る「対話」と「戦闘」の非情さ・・・。そして、衝撃、の「ラスト」。「SF的」でありつつ「リアル」感あふれる「近未来SFテクノロジー」にやはり「戦慄」。そして正反対なはずなのに、漂う「穏やかさ」。 最後に平成の「怪物」作、「ターニングポイント」作、とおススメ!していただいた「SF部長」殿(「SF担当_蔦屋書店嘉島」さん)と、この作品を世に出していただいた「早川書房」の担当者様、の御慧眼、と天国にいらっしゃる「伊藤計劃」先生に感謝して終わりたいと思います・・・。
ネタバレあり
発想、構成、オリジナリティー、そして読ませる力に関しては文句のつけようもない。100点満点で200点をつけたい。 初投稿時、某SF巨匠により「虐殺器官をより具体的に描写してほしい」やらなんやら指摘され、受賞とならなかったようだが、私はそうは思わない。 本誌に登場する「虐殺器官」は、潜在意識に関わるというその性格上、具体化すればするほど、おそらくその効力を減ずるからだ。 リアリティに富む精緻な描写と筆力で一気に引き込まれ、読後もある種爽快だ。 しかし、読後、改めて内容を咀嚼すると、大きな穴が二つほどみえる。 1)暗殺を旨とする狙撃者が、身柄を捕獲された後、敵や標的とあそこまでべらべらしゃべることはありえない。「標的がしていることは、結局狙撃者が薬物やカウンセリングで受ける(脳)感覚のマスキングと同じことである」という点を対比させたかったのであろうが、狙撃者が、そのような処置を受ける戦闘員であればあるほど、標的とここまで親密に「激論」することはありえない。 2)同様の理由で、狙撃者がその任務を損なうほど単一の女性に傾倒することはない。主役のような高度な暗殺者は、狙撃者同士、もしくは機関によって監視・コントロールされているはずである。 上記に点ほど、物語の進行上、不可欠な要素であることは理解する。それだけにますますこれらの穴の大きさを意識せずにはいられなかった。