「ここはB級被災地だから」
「俺たちは置き去りにされている」
「私たちは被災者じゃないから」
広範な地域に甚大な被害をもたらした東日本大震災。直接的な津波被害を受けず、被災と非ー被災の境界に位置する地域が存在する。そこに暮らす人びとは自らのポジショナリティに苦悩し、災害体験を語ることを躊躇していた。彼/彼女たちにとって復興とは何か。
●著者紹介
山崎真帆(やまざき まほ)
一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻博士後期課程退学。博士(社会学)。現在、東北文化学園大学現代社会学部講師。専攻は人文・社会科学的な災害研究。共著に『〈メガイベントの遺産〉の社会学』(青弓社)、論文に「住家への津波被害を免れた人々における東日本大震災からの「復興」」(『日本災害復興学会論文集』第15号)、「復興過程における「被災者」の自己認識に関する一考察」(『日本災害復興学会論文集』第16号)など
序 章
はじめに
2 問題の所在
3 筆者自身のポジショナリティ
4 本書の構成
第1章 本書のアプローチ
1 課題へのアプローチーー災害・復興の〈当事者〉は誰か?
2 方法論ーー災害復興のエスノグラフィ
小括
第2章 復興とは何か
1 主題としての「復興」
2 「既定(の)復興」とオルタナティブの模索
小括
第3章 東日本大震災からの復興
1 「既定(の)復興」様式と創造的復興
2 「既定(の)復興」がもたらす人口減少
3 復興と交流・関係人口
小括
第4章 分水嶺に囲まれた町
1 南三陸町のあらまし
2 地勢・気象
3 成り立ち
4 ハマ・マチ・ヤマ/オカ
5 災害
6 暮らし
小括
第5章 南三陸町の復興
1 「象徴的被災地」としての南三陸町
2 「壊滅」からの復興と人口流出
3 復興の特色
小括
第6章 ヤマにおける町の復興
1 入谷地区という場所
2 津波被災地南三陸におけるヤマ
3 復興の〈周縁〉で
4 復興枠組みの活用
小括
第7章 登米市中心市街地における南三陸町の復興
1 登米市と南三陸町
2 東日本大震災と南三陸町からの人口移動
3 南方仮設をめぐる力学
4 南三陸町の復興は何をもたらしたか
小括
第8章 〈境界的な被災地〉における復興
1 ローカルな〈差異〉と東日本大震災
2 〈境界的な被災地〉における「〈当事者〉になりにくい構造」
3 〈境界的な被災地〉の両義性
小括
終 章
1 全体総括
2 結論ーー結果的な〈当事者〉性
3 本書の限界と今後の展望
参考文献
あとがき
索引
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