モロッコの古都マラケシュの人々の心に深く旅し、その話し言葉・叫び声・つぶやき・歌などの神話的・呪術的に響きあう聴覚上の世界に、失われた「原初の言葉の顕現」と「人間の魂の始原の郷国」をさぐりだす。異文化にふれあいながら、作家カネッティの「死の意識」の風景のなかに、マラケシュが直面する内的現実を浮き彫りにした感受性あふれる紀行文学的文明論。
駱駝との出会い
スーク
盲人の叫び
マラブートの唾
家の静寂と屋根の空虚
格子窓の女
ミッラ訪問
ダッハン家
語り手と書き手
パン選び
中傷
驢馬の悦楽
〈シェーラザード〉
見えざる者
訳者あとがき
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