魂の戦慄を描く、乱歩絶賛の残酷コント集
空腹を抱えた浮浪者が街道で金貨を拾うが、村の人々はそれを盗んだ金と決めつけて受け取りを拒否する。途方に暮れた男は行き会ったもう一人の浮浪者に、小銭との交換を持ちかけるが……「街道にて」。
息子が乗り組んだ潜水艦が撃沈されたという知らせを受けた老夫婦。一時金200フランに加えて国から遺族年金が出ると言われたが、父親は納得できない。ところがその夜、戦死したはずの息子が帰ってきた……「生還者」。
人生の残酷や悲哀、運命の皮肉を短い枚数で鮮やかに描き、ポーやヴィリエ・ド・リラダンの後継者と称されたルヴェルの残酷コントは、20世紀初めのフランスで絶大な人気を博し、本邦に紹介されて江戸川乱歩や夢野久作らも魅了した。第一短篇集『地獄の門』収録作を中心に、新発見の単行本未収録作を加えた全36篇を新訳で刊行。
レビュー(11件)
ああルヴェルだな…の短編集。古き良き作品世界を楽しめました。フォントやページの配置も良いと思いました。
残酷だったり切なさが残ったり、様々な短編が収録されている。 「高度九千七百メートル」だけは面白くなく、ハズレだったが、他の収録作品は良かった。 星満点をつけない理由として挙げたいのは、翻訳文と本のレイアウト(?)だ。 翻訳の出来としては良いのだが、「。」にしても良かったのではと思う「、」使用の箇所が度々見られたからだ。 昔の文章を読んでいるような句読点の使い方だと感じた。 また、印刷の外脇側に余裕がなく、特に右側のページを読んでいる時に、指が文の邪魔になってしまうことがあった。 かといって手が疲れないように読みたいので、普段からの指の置く位置を変えるのも不便。