人生最高のピンチ、大失恋を迎えたイーサンに守護天使ギルバートが救いの手を差し伸べる。しかもとんでもない方法で…! 恋人に捨てられて自分にすっかり自信をなくした青年イーサンを見るに見かねて、彼の前に現れた守護天使ギルバート。物語の舞台は宇宙とアメリカ。転がってでも泥臭く立ち上がるイーサンと、彼に再生の力を与えるべく激闘したギルバートが新しい自分にも出逢うというダブル構造で展開していく。立ち止まらずに夢を追いかけるイーサンに、励ますつもりが逆に励まされるギルバート。この主人公二枚看板の互いに変化していく様は読みごたえあり。 現在のようにどれだけ便利な世の中になっても、失恋をはじめ苦難は自分自身で乗り越えなければなりません。信頼できる人に相談しても、結局次に進む道を決めるのは自分。誰かに代わりにトイレに行ってもらっても自分はスッキリできないのと同じで、キツいから他の人に頼んで乗り越えてもらうというわけにもいきません。カンタンに乗り越えられるアプリを使えば突破可能!なんていうのがあればみんなとっくに使っているでしょうが、そんなモノはありません。 とは言え、人間の生活は留まるところを知らずどんどん便利になり、進化し続けています。これは到底無視できるはずのない素晴らしい発展です。でも便利さを追求し過ぎるとどうなるか?人は一日に何回、何か感じる前に、考える前に、パソコンやスマホに手を触れずにいられるでしょうか?頼みの綱は弱った自分自身だけになった時、どんなふうに問題と向き合えるでしょう? どうにかしないと、と頭では分かっていても、その術がなく、ぐるぐると迷路にはまり、なかなか抜け出せないこともあるでしょう。 この物語なら僅かでも悲しみに打ち勝つヒントになるはずです。現実をちょっぴり超越した異変体験が、八方塞がりの状況を揺さぶり、読む人の次の一歩を後押しします。ロックを聴く感じで読んでみてください。なぜなら、ロックは悲しみを元気に歌うからです。時間はかかっても最終的には自分の悩みを笑い飛ばせるかもしれません。 君にも守護天使が、きっと、いる。
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