【輸入盤】ブルーノ・ワルター/コンダクツ・モーツァルト&ハイドン〜リマスタード・ステレオ・レコーディングズ(6CD)
ワルター最晩年のコロンビア響とのステレオ録音から
ハイドンとモーツァルト作品をボックス・セット化。
米盤初出盤のカップリングとジャケットによる完全生産限定盤
フルトヴェングラー、トスカニーニと並び、20世紀最大の指揮者と賞されるブルーノ・ワルター。ワルターはその長い音楽活動の中で、レコード録音を特に重要視したパイオニア的演奏家のひとりでした。
1950年代に本格的に実用化されたステレオ録音は、それまでのモノラル録音と比較して、音の鮮明度、分離の良さ、広がりなどでより優れた特性を示し、家庭環境でのステレオ再生もテープで始まり間もなくLPレコードで可能になると、爆発的な勢いで普及していくことになります。そうした状況を察知したコロンビア・レコードのプロデューサーだったジョン・マックルーアは、ブルーノ・ワルターのステレオ録音を企画します。1957年に心臓発作で倒れ静養していたワルターを説得し、ロサンジェルス・フィルやハリウッド・スタジオのメンバーで録音用のオーケストラを編成して、ワルターの中心的なレパートリーだったドイツ・オーストリア系の交響曲と管弦楽曲の網羅的な録音プロジェクトを開始したのです。ワルターの肉体的な負担を減らすべく、録音会場にはハリウッドの自宅近くのアメリカン・リージョン・ホールが選ばれ、1日に1セッションというゆっくりしたペースで進められ、1958年1月8日、ベートーヴェンの交響曲第8番(初日は第2楽章を録音)に始まり、1961年3月31日のモーツァルトの序曲4曲に至るまで、約4年間でベートーヴェンとブラームスの交響曲全曲、ハイドン、モーツァルト、シューベルト、ブルックナー、ドヴォルザークの主要交響曲、ワルターが最晩年まで演奏レパートリーに持っていた師マーラーの交響曲、ワーグナーの管弦楽曲集など55曲もの作品が、鮮度の高いステレオ・サウンドで残されたのです。
今回のボックスには、その中からハイドンの交響曲2曲とモーツァルトの後期交響曲6曲、序曲集とヴァイオリン協奏曲2曲という6枚分を収録しています。各ディスクは米初出盤のジャケット・デザイン(表裏共に)による紙ジャケに封入、発売当時のレーベル・デザインを採用し、詳細な録音データを伴うトラック・リストとアーティスト写真を掲載した全20ページのオールカラー中綴じブックレット(欧文)とともに、厚紙製クラムシェル・ボックスに封入されています。
リマスターは2019年発売の77枚組『ブルーノ・ワルター〜コンプリート・コロンビア・アルバム・コレクション』のものを採用。これらはソニー・クラシカルと日本のソニー・ミュージックとの共同プロジェクトとして企画されたもので、アンドレアス・K・マイヤーによってオリジナル・アナログ・マスターから新しくリミックスおよびリマスターされ、それまでのLPやCDで親しんでいた腰高の響きではなく、ワルターが志向したヨーロッパ風の重心の低い、落ち着いた格調高いサウンドを実現した画期的なものです。
【ワルターのハイドンとモーツァルト ジェームズ・H・ノース】
「偉大な指揮者たちの時代、多くの指揮者が賞賛され、敬われ、時には崇拝されたが、ブルーノ・ワルターは「愛されて」いた。彼はどの指揮者にも劣らずリハーサルでは厳しく、楽団員に対しても厳しい要求をしていたが、彼の人柄には慈悲深さが漂っていた。そのため、彼の少し厳しそうな顔つきが光り輝くように見えたのだ。こうした特徴は彼の演奏にも現れており、それは年を重ねるごとに一層際立っていった。
ワルター1957年にカリフォルニアに引退した際、コロンビア・レコードの重役たちは、ステレオ技術の到来によって彼がそれまで残してきたモノラル録音を時代遅れにしてしまうと指摘し、ステレオによる主要レパートリーの再録音を提案した。それに際してコロンビアは、レコード・レーベルの名を冠した「コロンビア交響楽団」という名称でオーケストラを特別に編成したが、人数は録音レパートリーに応じて変動し、そのメンバーも日によって大きく異なった。例えば、全曲が4時間のセッションで録音されたモーツァルトの「プラハ交響曲」は、ヴァイオリン14、ヴィオラ4、チェロ3、コントラバス2という弦楽パートを含む34名で、ワルターによるハイドンやモーツァルトの作品の録音ではこの規模の編成が採用されていた。コンサートマスターはイスラエル・ベイカー、その他のセクション・リーダーは全員がロサンジェルス・フィルの首席奏者で、残りのメンバーはフリーランスのメンバー(映画スタジオで演奏していた引退した音楽家たち)から選ばれていた。
ワルターのモーツァルトやハイドンは、いわゆる歴史的な演奏様式に基づいてはいない。しかし
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