実験という技術を用いて人間の行動や社会はどこまで探究できるのか? 分子・遺伝子レベルの検討からヒトの社会行動のマクロな理解に至るまで、「共感」をキーワードに、社会科学が自然科学とどう有機的に関わることができるのかを考える。震災とコロナ禍で切実さを増した人間理解への誠実な応答であり、次世代の研究への展望の書。
第1章 なぜ「連帯」を考えるか
1 「文系にいったい何ができるというのか⁉」
2 実験社会科学という試み
3 適応合理的人間観の普及
4 科学研究費新学術領域研究「共感性の進化・神経基盤」の発足
5 「4つのなぜ」
6 本書の構成
第2章 共感性の諸相
1 原初的共感
2 情動的共感
3 災害時の思いやり
Box1 最適ストッピング課題
4 認知的共感
第3章 分配の正義を考える
1 分配の正義とは?
2 分配の正義を気にするのはヒトだけか?
3 規範としての分配
4 ロールズの正義論の経験的基礎を探る
5 「不平等回避」を腑分けする
第4章 秩序問題をめぐって
1 秩序問題とは?
2 罰のもたらす意図せざる結果ーークラウディングアウト現象
3 公共財問題とサンクション(賞罰)制度
4 監視と罰制度の選択ーーどのくらい強い「システム」を選ぶか
第5章 実験社会科学を鍛えるために
1 ラボ実験の長所・短所
2 今・ここを捉えるーー計算社会科学の登場
3 政策志向の大規模社会実験の急増
参考文献
あとがき
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