モダンデザイン史といえば、先駆的な理念に基づく優れた造形の歴史を思い浮かべるのが普通であり、日本の場合も欧米の思想を受け入れながら、各自のデザイン活動を率先して展開していった人々やそれを支えた組織、機関の歴史が専ら記述されてきたところである。言い換えれば、それはモダンデザイン運動史だった。そこで前提となっているのは、歴史というのは地域を越えて、全世界共通に、日本国内でいえば、全国一律に通用しうる規範が存在するということであった。普遍、規範、模範、これらがモダンデザイン史の基本的前提だったのである。本書はそのような近代化の過程を関西という地域における西洋デザイン及びその思考の受容と規範形成にしぼって検討する。
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