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69歳大型新人の滋味溢れる家族「食」小説 「義母さん、うちの子に食べ物を与えないでください」 「孫にごはんを食べさせて何が悪いんだい」 3人の子どもを育てながら、外交官の妻として世界各地を渡り歩いてきた高畠凛子。夫に先立たれ、独身の長男と暮らしていたものの、その長男も突然の事故死ーー。しかし気丈で好奇心旺盛な凛子は得意の料理を楽しみながら忙しい日々を独り楽しんでいた。 一方、凛子の次男・健の妻であるユキは、フードスタイリストとしてのキャリアアップを目指してめまぐるしく働いている。不登校気味の息子は気になりつつも、家事は分担・効率化すべき、家の食事は簡素でよしという信念で、あくまでも仕事優先の毎日。 ある日、健が凛子とユキそれぞれに提案する。「みんなで一緒に住まない?」。 気ままな生活が脅かされるのを危惧する凛子。義母との相性は最悪だと自認しているユキ。苦し紛れにまとめ上げた折衷案は「一緒に住むけれど、食卓は別々」。 一つ屋根の下に暮らし始めた4人に早速、「やっかいな」事件が勃発。二つの食卓は衝突しながら、徐々にその境界線を危うくしていくのだった……。 多彩で魅力的な食のシーンも充実した、珠玉の一皿のような傑作家族小説。 【編集担当からのおすすめ情報】 元外交官の妻として世界各国で暮らし、様々な文化や料理を学んできた著者の経験と知識が詰め込まれた傑作「食」小説。69歳と年齢を重ねてきたからこその深い洞察も、独自のスパイスとなって物語を引き立てている。
レビュー(16件)
う~ん
最初から最後までするする楽しく読めたのに、後味悪ぅ~
家族ってうんざりするくらいややこしいけど。まあしょうがないよなぁ。つまりそういうことだ。 この文章に出逢えてだけで、あぁこの本読めて良かったと思いました。料理の描写は私の台所スイッチを押してくれます。