宇宙は「もつれ」でできている 「量子論最大の難問」はどう解き明かされたか
一人の天才の独創が生んだ相対論に対し、量子論は多数の物理学者たちの努力によって構築されてきた。その精緻化のプロセスで、彼らを最も悩ませた奇妙な現象=「量子もつれ」。因果律を破るようにみえる謎の量子状態は、どう理解されてきたのか。EPRパラドックス、隠れた変数、ベルの不等式……。当事者たちの論文や書簡、討論などを渉猟し、8年をかけて気鋭の科学ジャーナリストがリアルに再現した、物理学史上最大のドラマ。
アインシュタインが生涯信じなかった“幽霊現象”--。
最高の頭脳を翻弄した“量子の奇妙なふるまい”が、「宇宙観」に革命をもたらした!
量子力学100年の発展史を一気読み。
直観と論理の狭間で、物理学者がもがく!
一人の天才の独創によって誕生した相対論に対し、量子論は、多数の物理学者たちの努力によって構築されてきた。
数十年におよぶ精緻化のプロセスで、彼らを最も悩ませた奇妙な現象=「量子もつれ」。
たとえ100億km離れていても瞬時に情報が伝わる、すなわち、因果律を破るようにみえる謎の量子状態は、どんな論争を経て、理解されてきたのか。
EPRパラドックス、隠れた変数、ベルの不等式、局所性と非局所性、そして量子の実在をめぐる議論……。
当事者たちの論文や書簡、公の場での発言、討論などを渉猟し尽くし、8年の歳月をかけて気鋭の科学ジャーナリストがリアルに再現した、物理学史上最大のドラマーー。
監訳者まえがき
読者のみなさんへ
序章 もつれ
第1章 ちぐはぐな靴下
第1部 侃々諤々──闘わされた議論
第2章 光の量子化
第3章 量子化された原子
第4章 不鮮明な量子世界の描像
第5章 市電に乗って
第6章 「光の波」と「物質の波」
第7章 映画館のパウリとハイゼンベルク
第8章 「聖なる島」のハイゼンベルク
第9章 静養地のシュレーディンガー
第10章 観測可能なもの
第11章 この忌まわしき「量子飛躍」
第12章 不確定性
第13章 ソルヴェイ会議
第14章 スピンする世界
第15章 ふたたびソルヴェイ会議
間奏 人も物も散り散りになる
第16章 「実在性」をどう考えるか
第2部 研究と告発
第17章 「ただ真実を」──プリンストン
第18章 オッペンハイマー狂騒曲──バークレイ
第19章 プリンストンの量子論
第20章 疑念──ふたたびプリンストン
第21章 アインシュタインを説き伏せよ──量子論
第22章 「隠れた変数」と潜伏
第23章 ブラジル
第24章 世界からの手紙
第25章 オッペンハイマーに立ち向かう
第26章 アインシュタインからの手紙
ボームの物語のエピローグ
第3部 発見
第27章 状況は変化する
第28章 「不可能性の証明」が証明したもの
第29章 少しばかりの想像力
第30章 実験物理学は単純ではない
第31章 設定の変更
第4部 「もつれの時代」の到来
第32章 シュレーディンガー生誕100周年
第33章 3まで数える
第34章 「測定」に反対して
第35章 これを実用化できると?
第36章 世紀の転換点に
第37章 おそらくは、謎
エピローグ ふたたびウィーンにて
レビュー(21件)
科学に興味のある人には一読を勧めます。科学進展のようすが分かり面白いです。自分の考えの整理もできます。
現在進行形の議論
量子論に関する議論が、どのようにして進歩してきたか、時系列に沿って理解できる。とはいうものの、最後は情報論という形の無限ループに陥ってしまったかのようにも感じられて興味深い。オチ部分も、やや、あざとく感じられる。現在進行形の議論である。
難しくて途中で投げ出してしまいました。ある程度、物理を理解している方には読めるかも知れません。
量子力学の大河ドラマ
著者のルイーザ・ギルダーは、2000年にダートマス大学を卒業した科学ジャーナリストで、8年超に及ぶ徹底取材でものにした本書が初めての著書という。 アルバート・アインシュタインという一人の天才の独創によって誕生した相対論に対し、量子論は100年にわたり数多くの物理学者たちの努力によって構築されていった。本書は、アインシュタインという巨大な才能に挑む多くの物理学者の交流を描いた大河ドラマである。 ルイーザ・ギルダーは、「対話は科学にとって必要不可欠なものである」(17ページ)という。本書は、脚色はあるものの、当時の科学者たちの手紙のやり取りなどの史実を元に書かれている。ネットもなく、国際電話も普及していなかった時代、科学者たちは手紙の上で議論したことは間違いないだろう。それが科学を発展させたのだ。 第二次大戦前、量子力学をめぐる解釈は、デンマークの首都コペンハーゲンにあるボーア研究所から発信された「コペンハーゲン解釈」に集約されていった。 だが、偉大なるアインシュタインは生涯、量子論を受け入れようとしなかった。ボーアは「アインシュタインが正しいのなら、物理学はもうおしまいだ」(232ページ)と呟いたという。 それでも、アインシュタインの科学者としての姿勢は確かなもので、1931年、不確定性原理のハイゼンベルクと、波動力学のシュレーディンガーをノーベル賞候補として推薦した。だが、アインシュタインの推薦は他の誰とも意見が合わず、ノーベル賞委員会が大混乱に陥った結果、1931年の物理学賞は該当者なしとなった。 そして、1933年1月末日、ヒトラーが政権に就くと、コペンハーゲン解釈に連なる物理学者たちは散り散りになってしまう。 この頃、心を病んだパウリは心理学者ユングに接触し、テレパシーについて考えるようになる。シュレーディンガーは、統計的確率と不確定原理を混同しているアインシュタインに異議を唱えるべく、のちに「シュレーディンガーの猫」と呼ばれる思考実験を発表する。 だが、アインシュタインは1942年、「私は一瞬たりとも、神がサイコロを振り『テレパシー』を使っていると信じたことはない」と語り、量子物理学者たちの意見を一蹴した。この結果、テレパシーやシュレーディンガーの猫についての誤った考えが、現代に伝わってしまった。アインシュタインは、それほどの影響力を持つ存在だった。
翻訳文が問題
内容はとても興味深いものがありましたが、翻訳者が果たして御自分で内容を理解しているのかな、とか、この文章はも少し推敲すれば読み易くなるのにという箇所が随所にあって、とても読みづらいものになっていました。内容がもともと理解し難いもので有るだけにもっと充分に読者に読みやすいものにしてから出版して欲しかった。