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「34歳のときに治らないがんの告知を受けた。 後悔はない。それは、すべてを自分で選んできたからだ。 生きにくさを感じている人に、 生きやすさを感じてもらえることを願ってーー。」 家族、友人、仕事、お金、自分の居たい場所、そして生と死。 命を見つめ続けてきた写真家が、大切にしてきた「選ぶ」ということ。 自らが取材したがん患者や、患者の関係者たちとの対話を通して見えてきたもの。 最後に選択するという安楽死について。 生きにくさを超えるために、自ら「選びとる」ことの意味を、強くやさしいことばで綴る。 「子どもって人生において選択肢を選べることが少ないですよね。 “与えられた”や“奇跡”という綺麗な言葉で言い換えることもできますが、 親や家族はもちろん、生まれ育った地域で最初の友人も決まるわけです。 社会の大人からいい子であることを求められて、子どものころから選ぶ習慣がないから、 大人になっても自分の人生を選べない、考えることが苦手な人がいるんだなぁと感じます。 子どもの頃って、どうしても選ぶことができないけど 大人になったり、病気で人生が短くなってくると、 じつはなんでも選べるし、選ばないといけないんですよね。 生きにくさを感じている人に、生きやすさを感じてもらえることを願っています。 (タイトルによせた著者)」 【目次】 1章 そしてぼくは、旅に出た。 2章 ぼくたちが求めている自由 〜Kさんへの取材を通じて〜 3章 ほんとうの自立とはなにか 〜Mさんへの取材を通じて〜 4章 逃げ場を失わないために 〜Tさんへの取材を通じて〜 5章 家族のかたちを選びなおす 6章 ぼくが最後に選ぶもの 幡野広志(はたの・ひろし)/1983年、東京生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。2010年から広告写真家・高崎勉氏に師事、「海上遺跡」で「Nikon Juna21」受賞。 2011年、独立し結婚する。2012年、エプソンフォトグランプリ入賞。2016年に長男が誕生。2017年多発性骨髄腫を発病し、現在に至る。著書に『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP研究所)、『写真集』(ほぼ日)。
レビュー(145件)
深い中身ながらも読みやすく、素直になる大切さを感じました。 生き苦しさを感じる中、救われる感のある内容です。
分りやすい文章で読みやすく、1日で読み終わりました。 タイトルを読んだだけでは内容が良く分りませんが、内容を読み続けて行く内に知らない間に縛られている物を開放していいんだよと教えて頂いたようで、特に最後らへんに書かれている一文が泣けて仕方がなかったです。自分の今までを優しく包み込んで貰えたような気がして、我が子には同じ過ちを繰り返さないようにと思う事が出来ました。 また、癌という病気についても知っているようで知らない事も多く、勉強になりました。 同時に、健康でいることの有難さ、直系家族の大切さも教えて頂いたような気がします。有難うございます。
読むべき
幡野さんの言葉は明快で心に響きます。買って本当によかった。