「反動勢力ローマ・カトリック」に弾圧された「科学革命家ガリレオ」のイメージに代表されるように、科学と宗教は対立し、闘争するものとして捉えられてきた。だが精神史を精査すると、機械論哲学の祖とされるデカルトは人間の霊的独自性を認め、自然を時計仕掛けに喩えたロバート・ボイルは神の統治を賞賛し、ニュートンの自然にも永遠の神が存在していた。科学と宗教は互恵的な関係にあったことが明らかになる。一方、新しい科学は信仰心に働きかけ、無神論や唯物論のような鬼っ子から不可知論、理神論や自然神学まで、人間と自然をめぐる思索を多様に開花させてきた。コペルニクス革命から現代にいたる豊饒で葛藤にみちた精神史の全容。ワトソン・デイヴィス賞/テンプルトン賞受賞。
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科学史で再考する
日本の教育は明治以降、科学の歴史的背景を無視し科学技術を重点とした教育がなされてきました。これにキリスト教が科学を弾圧したという偏った歴史認識が混ざって「宗教と科学は相反する」という一般解釈が日本ではなされていると思います。この本はその一面的な解釈に再考を促す内容が書かれています。