筆者によると、「法学入門のための入門書」とのことですが、法学入門の他の本の方がよほど易しい、かなり高度な内容の本です。学問としての「法社会学」の形成過程を論述したものといった方が良いのでは、と思います。法学はもちろん、文化人類学、社会学、政治学の基礎知識も必要です。ただ、1967年に執筆された本なので、他の人文社会科学分野への過度の期待が見られます。また、「法」の解釈・執行機関として「裁判所」のみが想定されており、行政機関による紛争の事前予防としての「政策論」の視点が完全に欠落しています。その意味では行政法軽視の片手落ちの感は否めません。
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法社会学入門
筆者によると、「法学入門のための入門書」とのことですが、法学入門の他の本の方がよほど易しい、かなり高度な内容の本です。学問としての「法社会学」の形成過程を論述したものといった方が良いのでは、と思います。法学はもちろん、文化人類学、社会学、政治学の基礎知識も必要です。ただ、1967年に執筆された本なので、他の人文社会科学分野への過度の期待が見られます。また、「法」の解釈・執行機関として「裁判所」のみが想定されており、行政機関による紛争の事前予防としての「政策論」の視点が完全に欠落しています。その意味では行政法軽視の片手落ちの感は否めません。