退院支援とは,入院患者が自宅に戻るときに行われる医療,介護,福祉などを駆使した総合的なサポートのことである。本書は,その退院支援の実際を熱く刺激的に描いたものである。
退院のために,患者本人と家族,医療チームとで幾度もカンファレンスを開き,患者の気持ちに沿いながら行うのが理想だが,現実はそうではない。理想に近づくにはどうしたらいいのか?
ナラティヴの考えを主軸に新しい退院支援を進める著者が,自ら実践する支援を描く。
第1部 私が退院支援に取り組むようになったきっかけ
第1章 対人援助に関わる私の原体験
第2章 「退院支援研究会」発足までの道のり
第3章 私に「物語」の重要性を気付かせてくれた恩人Bさんについて
第2部 退院支援研究会の活動
第1章 退院支援を取り巻く環境
第2章 「発足式」の様子と,参加者から寄せられた言葉
第3章 第1回2017年6月〜第4回2018年6月の事例検討会を振り返る
第4章 2018年9月〜2019年11月,退院支援の新たなる逸話(anecdote)
第3部 整形外科のリハビリテーション医として行なった私の退院支援ほか
第1章 成年後見申し立ての経験
第2章 退院支援と地域連携に関する当院の取り組みと課題
第3章 高齢者と家族が望む介護のあり方
第4章 非典型的なCRPS症状を呈したTKA例に学んだ手術周辺の問題点
第5章 退院支援におけるナラティヴ・アプローチの可能性
第6章 TKAの術語満足度向上を目指した包括的患者サポートシステムおよび退院支援におけるナラティヴ・アプローチの紹介と考察
第7章 膝術後CRPSへの共視的ナラティヴ・アプローチ
第8章 TKA患者満足度に及ぼす老いの受容の影響
第9章 自己犠牲を払う介護者たち──「自虐的世話役」という概念から
第4部 母と子のアンビバレンスが退院支援に及ぼす影響
第1章 「心を妄想する」
第2章 「エディプス・コンプレックス」と「阿闍世コンプレックス」
第3章 ある死亡退院例を「阿闍世コンプレックス」から考える
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