大地の営みを学ぶ 日帰り地質巡検ガイド(和歌山県北部編)
大阪府立大学で勤める著者が、初めて地質に接する学生のために書いた巡検ガイドブック。公共交通機関で日帰りできることを条件に、エリアを選定している。日本列島が被ってきた激しい地殻変動の実相を理解するために不可欠な項目を厳選した。変動地形・人工地震探査といった地球科学で欠かせない基礎知識を学ぶことができる付録集セクションを設けている。巡検に参加して地層を眺めるだけではなく、自ら観察するための演習も盛り込んである。また、各エリア解説の末尾では、研究成果に基づく観察事実の意義と広域テクトニクスに関する解説などを掲げ「何のために学ぶのか」を読者に問いかけている。この本は、主に和歌山及び大阪周辺に住む読者を想定した極めてローカル色の濃い物であると同時に、グローバルな地質現象のメカニズムと地球の進化史を理解する助けとなることを企図し、通説紹介に陥ることを仮借しない著者の姿勢が折に触れつつ示されている。
はじめに
1.中央構造線に見え隠れ:活断層認定の難しさ
2.新和歌浦の三波川帯:地底からの贈りもの
3.紀ノ川散策:変成帯の形成プロセスを考える
4.下津港周辺を歩く:御荷鉾帯のルーツを探る
5.有田川紀行:島弧の付加体地質を実感する
6.広川の露頭めぐり:混沌とした黒瀬川構造帯
付録1.空中写真による地形判読
付録2.反射法地震探査の原理
付録3.収束境界のダイナミクス
付録4.地磁気異常解析の基礎
あとがき
引用文献
索引
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