プロパガンダ大衆文化の行方
翼賛体制下、国民の身体は総力戦に向け保全されるべきものとなり、国威発揚と労働・生産を下支えする大衆文化が次々と生まれた。では動員解除後、娯楽を享受する身体は何を求め、大量に生産された娯楽はどこへいったのか。戦時下の舞台・芸能・合唱・ラジオ・映画を横断し、戦後の大衆文化へと至る伏流を探る。
まえがき/星野幸代
第1部 侵犯される知覚、抵抗する身体
「ラジオ太郎」という「仮装」アナウンサーがいた/大塚英志
「木蘭従軍」の戦時期日本における〈国民化〉--東宝国民劇のアダプテーションに見る戦争とジェンダー/秦剛
大衆文化としての体操と統制される身体/佐々木浩雄
厚生運動とうたごえ運動ーーその連続性を見る/河西秀哉
裁かれるエロスーー戦後日本の揺らぐ文化イデオロギーと武智鉄二/朴祥美
第2部 子どもの時間、少女の時
十五年戦争下の子供雑誌が描いた「科学日本」と「科学戦争」--『少年倶楽部』と『機械化』を中心に/孫旻喬
戦時下・戦後の働く〈少女〉--雑誌『少女の友』を中心に/陳敏
戦前戦後日本の少女文化におけるバレエーー『少女倶楽部』を中心に/星野幸代
“はれもの”にさわる子どもたちーー児童文化における中国イメージの断絶と連続/瀧下彩子
第3部 ポストコロニアル身体の展観
植民地近代、身体文化、ポップカルチャーーー戦前戦後日本の舞踊芸術界の台湾に対する影響(1920-1979)/徐瑋瑩
日本軍政下インドネシアのPOW Camp謀略映画ーー映画の健全化の余剰としての「幻のフィルム」の語り/小川翔太
台湾映画「香蕉天堂(バナナ・パラダイス)」におけるバナナ表象ーーバナナを巡る記憶の構築がもたらす現代台湾史の視角/岸川あゆみ
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