【輸入盤】バロック・ピアノ・コレクション(12CD)
ゴルトベルク変奏曲と元ネタのヘンデル:シャコンヌも収録!
バロック・ピアノ・コレクション(12CD)
スウェーリンク、バッハ、ラモー、ヘンデル、ジュスティーニ、スカルラッティ、ガルッピ、エスポナの作品
現在ではバロック時代の鍵盤楽曲は当時主流だったチェンバロで演奏することが多いですが、一方で、バッハもスカルラッティもヘンデルも実際には初期ピアノに接していたのだからピアノでも演奏すべきという見解もあり、どちらにも説得力があります。
「作曲家=演奏家」の時代には、編曲・転用がごく当たり前でしたし、楽器指定が無いものも多かったりしたので、結局は慣れや好みの問題ということになるものと考えられます。
たとえば、人気曲「ゴルトベルク変奏曲」のレコーディング数もこれまでにピアノが110種類以上、チェンバロが50種類以上となっており、最近でもピアノの数が優勢です。
チェンバロの全声部型演奏がピアノにも影響
発音機構上、全声部が克明になるチェンバロの演奏スタイルは、ピアノによるバロック演奏にも影響を与えるようになり、現在では、主旋律強調系かつ主情的な演奏はあまり聴かれません。このセットに収められたゴルトベルク変奏曲の演奏も非常に多声的で、この作品が「低音主題による変奏曲」であることを浮き彫りにしています(CD4)。さらにこのセットでは、ゴルトベルク変奏曲の元ネタになったヘンデル若き日のシャコンヌ HWV442(CD7 トラック16)も多声的で情報量の多い演奏で収録していることから、作品の共通要素などもわかりやすく比較できます。
400年前の曲でもピアノが効果的
CD1のスウェーリンク作品集は約400年前の作曲ですが、冒頭の「エオリア旋法によるトッカータ」の後半で次第に高揚して行く様子はピアノならではともいえ、同時代のジョヴァンニ・ガブリエリの華やかさに通じるものも感じさせます。
バロック初期から最後期まで収録
CD12枚に16世紀から18世紀にかけて活躍した8人の作曲家の作品を収録。生まれた世紀別に没年順に並べると以下のようになります。
【16世紀生まれ】
●スウェーリンク [1561-1621 オランダ]:1枚分
【17世紀生まれ】
●ジュスティーニ [1685-1743 イタリア]:1枚分
●バッハ [1685-1750 ドイツ]:3.7枚分
●スカルラッティ [1685-1757 イタリア→ポルトガル→スペイン]:2枚分
●ヘンデル [1685-1759 ドイツ→イタリア→イギリス]:2枚分
●ラモー [1683-1764 フランス]:0.3枚分
【18世紀生まれ】
●エスポナ [1714-1779 スペイン]:1枚分
●ガルッピ [1706-1785 イタリア]:1枚分
ブックレット
12ページ。テキストは英語。作品についての簡潔な解説が掲載されています。
バロックとピアノ、そしてチェンバロからの影響作曲家=演奏家
バロック時代の作曲家は、チェンバロやオルガンなど、演奏家としての仕事が主な収入源である場合が多く、自作の曲も自身の演奏用というケースが一般的。会場も宮廷のホール(サロン)や大きめの教会が使用されることから楽器の音量は重要で、チェンバロよりもさらに音の小さなクラヴィコードや初期ピアノには非常に不利な状況でした。
チェンバロの進化
17世紀初頭から18世紀なかばにかけての約150年に及ぶバロック時代は、楽器や奏法の進化と、それに伴う作曲技法の導入が目立った時期でもあります。
たとえば16世紀初頭に登場して以来、200年以上も主要な鍵盤楽器であり続けてきたチェンバロは、1730年代には2段階の音の強弱表現が可能な2段鍵盤の楽器が普及するようになり、バッハもそれに触発されて上鍵盤と下鍵盤の指定のある「イタリア協奏曲」や「ゴルトベルク変奏曲」を書いたりしています。
最初期のピアノは小音量
その間、バロック全盛期の1700年には、チェンバロ製作者のクリストフォリ[1655-1731]による最初のピアノが登場し、無段階に音の強弱をコントロールできることから一部で注目されます。しかし、肝心の音量がチェンバロよりもさらに小さかったため、大きめの空間での演奏には向かない楽器でした。
また、1736年頃にゴットフリート・ジルバーマン[1683-1753]のピアノを試奏したバッハは、ジルバーマンに対して、高音域が貧弱でタッチが重く弾きにくいと言っていましたが、1747年に新たに製作された楽器を弾いた際には満足して称賛。最晩年の作曲にはジルバーマン
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