貞亨二年(1685)の夏、「目には青葉」の句で知られる山口素堂(通称、勘兵衛)は、二つ年下の盟友・芭蕉の「野晒し紀行」に跋文を寄せた直後、当時、笠間城主に仕えていた服部嵐雪の笠間土産話に触発され、俄かに盛夏の常州笠間の地に足を運ぶことになった。素より無鉄砲な坊ちゃん気質の勘兵衛のこと、ご当地での一期一会を飄々と愉しむうちに、期せずして、城下に秘められていた二つの恋の取持ち役となる。旅立ち前には、旅する勘兵衛を想像のうちに描いて進ぜようという嵐雪に対して「風雅に於いてお主などには負けぬ」と豪語した勘兵衛、果たして彼の恋の仲介は如何なる風雅を描き出すことやら・・・
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