出汁として日本の伝統的な食文化であるカツオ。奈良・平安時代、駿河・伊豆産のカツオは税として遠く都まで運ばれたが、長距離移動を可能にした保存加工法には謎が多い。調理・運搬用の土器や木簡など考古・文献史料を多角的に検証し、さらに最新の科学技術によるデータ分析で古代の調理法を再現実験。今なお受け継がれるカツオ文化の基層に迫る。
はじめに…馬場 基
1 文献史料からみた古代のカツオ
日本列島とカツオ…馬場 基
『延喜式』からみた堅魚製品…小倉慈司
2 考古資料からみたカツオ
堝形土器とカツオ加工ー沼津市域での出土事例からー…小崎 晋
古代駿河・伊豆地方における土師器堝の展開とその特質…藤村 翔
古代におけるカツオ漁の再検討ー駿河湾沿岸からの視点ー…山崎 健
堝形土器の考古生化学的分析からわかること…村上夏希・庄田慎矢
駿豆産の須恵器長頸瓶と「堅魚煎汁の容器」説…森川 実
須恵器壺Gとはどのような容器か?…小田裕樹
3 古代の堅魚製品再現への挑戦
古代堅魚製品の再現実験ー「荒堅魚」と「煮堅魚」-…三舟隆之・馬場 基
塩カツオ漬け汁の微生物学的検査からみた塩カツオの保存性…金田一秀
コラム1 古代堅魚製品の調理再現実験…西念幸江
カツオ煮汁のコゲ分析からの起源類推アプローチ…大道公秀
鰹色利の保存性と壺G…三舟隆之・五百藏 良
鰹色利の粘性…峰村貴央
コラム2 栄養学からみたカツオの食文化ー女性の健康の視点からー…鈴木礼子
4 特別寄稿
田子地区に伝わる潮鰹づくり…芹沢安久
5 カツオの古代学ーシンポジウム総合討論ー
あとがき…三舟隆之
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