筆者は2012年,およそ1か月間ルーマニア国(以下「ルーマニア」と表記)で現地の人々と文化交流をする機会を得た。そこで,彼らの歴史や宗教,ひいては生活習慣に至るまで,彼らの口から直接耳にした。また,それだけではなく,彼らが古き良きダキアの末裔としての誇りを持ち,キリスト教の一派であるルーマニア正教会(オーソドックス)の一員としてイエスを深く信じる敬虔さを持ち,ツイカという蒸留酒を飲みつつダンスや歌に興じるという陽気さを垣間見た。また,至る所で目にすることができる国旗からも,彼らが如何に自国を深く愛しているのかが伺い知れた。彼らが見せるそうした一面の数々は,私たち日本人が遠い昔に置き忘れてしまった何かを思い出させてくれるように思えてならない。 その後も,有り難いことに,毎年,ルーマニアを訪れては,彼らと文化交流をさせて頂いている。また,訪れる度に,大学や高校,教会や市民ホールなど,様々な場所で日本についての簡単な紹介などをさせて頂いている。 そうした中で,日本・ルーマニア間の文化・科学研究における交流を目的とし,2014年,「ルーマニアー日本教育科学協会(Asociaţia Româno-Japoneză de Educaţie şi Ştiinţă; ARJEŞ)」が,ルーマニア政府事務総局,政令番号26/2000の下に承認・設立された(ARJEŞについて詳しくは,巻末の「補遺(Appendix)」にある「Prezentare(紹介)」を参照のこと)。 また,2016年には,日本にて日本とルーマニア両国の研究者総勢24名により,各々の専門分野に関する論文を集めた『言語・社会・文化 - Language Society and Culture - 』がブイツーソリューションより発刊された。 そして,この度,更なる科学研究交流を目指し,『言語・社会・文化2 - Language Society and Culture 2 - 』が発刊される運びとなった。今回は,日本からは5名,ルーマニアからは15名(翻訳者含む),計20名の方に参加頂いた。 本書が,日本とルーマニア,両国の文化・科学研究の交流の一助になれば幸いである。
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