「巷説に出てくる遠山の金さんは好きだ。後に名奉行になった人だし、金さんを捕物帖の主人公にしてみたらおもしろいだろうと思って書き出したのがこれだ。半分人情話になってしまったが、私の好きな金さんの形だけは書けていると思う。これも折があったら、もっと書いて見たいと考えている」(著者による解説、昭和25年)
この著者の言葉通り、以降昭和33年まで短編22編、長編2編の連作が書き続けられた山手樹一郎「遠山の金さん」を全3巻に収録。後に北町奉行となった遠山金四郎の若き頃という設定で描かれた捕物帖の連作集である。
また、第4巻には北町奉行となった後の遠山金四郎が登場する「鉄火奉行」を収録。
第1巻には昭和22年から25年にかけて執筆された、家出桜、賭碁、万年青の秘密、女難、拗ね小町、金さん二人、所帯の金、生き霊に追われる男、柳原心中、真夏の夜の夢、毒の花の短編11編を収録する。約30年ぶりの刊行となる痛快捕物小説、待望の復刊。
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