「年収300万円、貯金ゼロ、フリーター願望・・・」という衝撃のキャッチコピーで一世を風靡した一冊ですが、出た当時に読んでいました。そして、その時に誤読をして相当に落ち込んだ記憶があります。 新聞などの「平均賃金」を見ていると、そんなんにもらっていないという印象を受ける方が多いのではないでしょうか。月収しかり、ボーナスしかりですが、自分の収入が報道される「平均」に届いたことがありません。新聞テレビでの「平均」は、一部の大企業の正社員の平均だからです。 昔読んだ時の誤読も、そうした報道を真に受けていて政府がHPで発表している全体の統計を見ていなかったことが、原因でした。世帯年収で700万円くらいないと、まともに生活できないというようなことが書いてありましたが、それを個人年収と勘違いするという大変な誤読でした。 さて、著者の三浦展氏は、一橋大卒業後にパルコ・三菱総合研究所を経て独立しカルチャースタディー研究所を設立。家族、消費、都市問題などを横断する独自の「郊外社会学」を展開している。主な著書に『下流社会』『下流同盟』『ファスト風土化する日本』『東京は郊外から消えていく!』などです。 初版が2005年で、13年前に書かれた本ですが、提起された問題は今でも解決に向かっていない。それどころか、格差は拡大し固定化に向かっている。日本は高度経済成長期からバブル崩壊まで培われてきた、1億総中流意識(実際はそうでもなかったようだが)が崩壊に向かっている。本書の「はじめに」では、「「中流化」から「下流化」へ」という見出しで、中間層の意識が「下」向かっていることを指摘している。ここで言う「下」の意識とは、「食うや食わずの状態」ではなく、「何か足りない」という程度のものだと筆者は指摘している。 第1章 「中流化」から「下流化」へ 第2章 階層化による消費者の分裂 第3章 団塊ジュニアの「下流化」は進む! 第4章 年収300万円では結婚できない!? 第5章 自分らしさを求めるのは「下流」である? 第6章 「下流」の男性はひきこもり、女性は歌って踊る 第7章 「下流」の性格、食生活、教育観 第8章 階層による居住地の固定化が起きている?,題名の印象と違って、おもしろ楽しく読めました。,最近はやりの格差問題を、マーケティングの見地から検証しています。最近ありがちな政治的?組合的?蟹工船的?な暗さはなく、ある意味無責任な明るい調子がなかなかおもしろい。,社会格差に興味があったので購入。 下流の階層の人の行動、消費、考え方・・ 読んでいて、僕は下流かな~ 統計的な数字にも強くなれたような。。,統計を基にした日本で起きている潮流を分かりやすく分析した書籍です。 貧困層の拡大と、貧富の差からの社会現象化が読み取れ、これからのマーケティングの取組みの役に立つ本でした。
レビュー(397件)
格差の問題は意識の問題なのかを考える
「年収300万円、貯金ゼロ、フリーター願望・・・」という衝撃のキャッチコピーで一世を風靡した一冊ですが、出た当時に読んでいました。そして、その時に誤読をして相当に落ち込んだ記憶があります。 新聞などの「平均賃金」を見ていると、そんなんにもらっていないという印象を受ける方が多いのではないでしょうか。月収しかり、ボーナスしかりですが、自分の収入が報道される「平均」に届いたことがありません。新聞テレビでの「平均」は、一部の大企業の正社員の平均だからです。 昔読んだ時の誤読も、そうした報道を真に受けていて政府がHPで発表している全体の統計を見ていなかったことが、原因でした。世帯年収で700万円くらいないと、まともに生活できないというようなことが書いてありましたが、それを個人年収と勘違いするという大変な誤読でした。 さて、著者の三浦展氏は、一橋大卒業後にパルコ・三菱総合研究所を経て独立しカルチャースタディー研究所を設立。家族、消費、都市問題などを横断する独自の「郊外社会学」を展開している。主な著書に『下流社会』『下流同盟』『ファスト風土化する日本』『東京は郊外から消えていく!』などです。 初版が2005年で、13年前に書かれた本ですが、提起された問題は今でも解決に向かっていない。それどころか、格差は拡大し固定化に向かっている。日本は高度経済成長期からバブル崩壊まで培われてきた、1億総中流意識(実際はそうでもなかったようだが)が崩壊に向かっている。本書の「はじめに」では、「「中流化」から「下流化」へ」という見出しで、中間層の意識が「下」向かっていることを指摘している。ここで言う「下」の意識とは、「食うや食わずの状態」ではなく、「何か足りない」という程度のものだと筆者は指摘している。 第1章 「中流化」から「下流化」へ 第2章 階層化による消費者の分裂 第3章 団塊ジュニアの「下流化」は進む! 第4章 年収300万円では結婚できない!? 第5章 自分らしさを求めるのは「下流」である? 第6章 「下流」の男性はひきこもり、女性は歌って踊る 第7章 「下流」の性格、食生活、教育観 第8章 階層による居住地の固定化が起きている?
題名の印象と違って、おもしろ楽しく読めました。
最近はやりの格差問題を、マーケティングの見地から検証しています。最近ありがちな政治的?組合的?蟹工船的?な暗さはなく、ある意味無責任な明るい調子がなかなかおもしろい。
僕は下流?
社会格差に興味があったので購入。 下流の階層の人の行動、消費、考え方・・ 読んでいて、僕は下流かな~ 統計的な数字にも強くなれたような。。
下流社会
統計を基にした日本で起きている潮流を分かりやすく分析した書籍です。 貧困層の拡大と、貧富の差からの社会現象化が読み取れ、これからのマーケティングの取組みの役に立つ本でした。