この小説が雑誌に連載されたのが1960年で、1955年から始まった高度経済成長たけなわの頃。文字通り何不自由なく育った「お嬢さん」がちょっぴり危険な香りの男性を好きになり、女子大を中退して結婚、専業主婦になるものの、今度は夫の女性関係が気になってならなくなり・・・という物語ですが、専業主婦とは何ぞや?という問題提起の書であるようにも感じました。日本に専業主婦が大量に出現したのは、他ならぬ高度経済成長に伴い「朝から晩まで企業で働く夫」と「もっぱら家事・育児をする妻」という性別役割分業が一般化したからでした。三島氏の作品としては軽いタッチのストーリーです。,世間知らずと思っていたお嬢さまが意外と、したたかに振る舞いこの人と思った男性と結婚。しかし、それだけでは終わらないというのが、ちょっとさわやかな昼ドラのような話の展開です。 脚本も書いている三島だけあって、展開が軽快だと思います。
レビュー(49件)
この小説が雑誌に連載されたのが1960年で、1955年から始まった高度経済成長たけなわの頃。文字通り何不自由なく育った「お嬢さん」がちょっぴり危険な香りの男性を好きになり、女子大を中退して結婚、専業主婦になるものの、今度は夫の女性関係が気になってならなくなり・・・という物語ですが、専業主婦とは何ぞや?という問題提起の書であるようにも感じました。日本に専業主婦が大量に出現したのは、他ならぬ高度経済成長に伴い「朝から晩まで企業で働く夫」と「もっぱら家事・育児をする妻」という性別役割分業が一般化したからでした。三島氏の作品としては軽いタッチのストーリーです。
世間知らずと思っていたお嬢さまが意外と、したたかに振る舞いこの人と思った男性と結婚。しかし、それだけでは終わらないというのが、ちょっとさわやかな昼ドラのような話の展開です。 脚本も書いている三島だけあって、展開が軽快だと思います。