(以下、「違和感という原動力」より要約)僕は違和感を覚えた。オーストラリアに修学旅行で訪れ、中国では友人宅に居候し、イタリアとスペインとバチカンを団体ツアーで周遊し、カナダのバンクーバーへはひとり旅を敢行し、オランダとベルギーにもひとりで訪れた。満足はしていた。何不自由のない、恵まれた生活。しかし、何かが足りない。自分の色は何だろう。旅行先人気ランキングという手垢まみれの薄汚い色に染まっているのではないか。そんなとき、ある国に出会った。まさか自分が訪れることになるとは考えもしていなかった国だった。接点を持ったことなど全くない。渡航許可が下りるのかさえも分からない。だが同時に、言葉では言い表せない、暗示のようなものを感じた。調べれば調べるほど、惹かれていく。まだ越えたことのない壁を探り当てたようで、胸が高鳴った。自然とその先にある景色を求めている自分がいた。間違いない、この国だ。カリブ海に浮かぶ、東西に延びる細長い島国。全長は札幌 - 名古屋間ほど。国土面積は日本の約3分の1で、平野部にはサトウキビ畑が広がる。1950年代のクラシックカーが駆け巡り、コロニアルな街並みは独特の雰囲気を帯びている。謎めいた社会主義国家。その名は、キューバ。僕はひとりで、キューバへ行く。
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