何を論じれば中国思想を論じたことになるのか.それは日本人にとって他者なのか,自らをも顧みることなのか.現代中国の俊英が溝口雄三の方法や昭和史論争を読み解く,日中比較思想史の新展開.日中の彼此から歴史における客観性,政治,記憶のアクチュアリティをめぐる思索へと読者を誘う.
クリオの顔ーー日本の読者へ
上編 中国の歴史の脈動に真を求める
一 飢餓感と切迫感ーー生命感覚が躍動していた明末
二 「已むを容れざる」--妥協を許さない観念感覚
三 童心説ーー溝口雄三の思考方法
四 立論しないことーー求められる思想史の修練
五 「形而下の理」--オルタナティブな普遍の原理を求めて
六 方法としての中国ーー経験の奥にある構造的な想像力
下編 中国の歴史の「ベクトル」
一 「自然」と「作為」の結合
二 人生に内在する形而下の理
三 中国の公と私
四 分有される法則ーー中国の歴史の「基体」
五 郷里空間と郷治運動
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