ミルトン・エリクソンは医療催眠と人の意表を突く処方で知られ、どれほど厄介な問題でも解決するその手腕は「魔法」とも呼ばれた。「いったい私は何をしたのでしょう?」彼が問いかけるこの言葉が成し遂げるものとは何か。言語と身体のつながり、文と心身のつながり、発話と情緒のつながり、そして言語と人の生死とのつながり──彼の問いかけともに、伝統的な哲学や言語学の境界を超えて、新たな地平に踏み出す。書き下ろし「新装版あとがき」を付す。
序、または但し書き
第一章 誕生──ミルトン・エリクソンができるまで
一 三度の閃光
二 ポリオへの感染
三 人生の不公平と人間の多様性
四 フェニックスの老賢者
第二章 無意識
一 精神の二重性
二 意識下の叡智
三 言葉、信念、力
第三章 言語の運用、または命令にしたがうということ
一 遂行的発言の可能性
二 命名について(一)──指令語と力の運用
三 誘惑と変形
第四章 対人関係と人称性の構造
一 二重にパターンの裏をかく
二 「われわれ」の作り方
三 集団の切り取り線
第五章 ダブルバインドの層位学
一 メッセージの推進力
二 時間の論理(一)
三 (イン)ポテンツ──「力」とは何か?
四 悪循環という突破口
第六章 形式と実質
一 命名について(二)──あるいはイマージュの諸様相
二 内容と物質
三 思考と行為の分離
四 時間の論理(二)
五 誘惑者、あるいは擬制の力について
第七章 ゲームの規則
一 勝負師の癒し方
二 サラームの後日談
三 キャシーの最期
註
あとがき
新装版あとがき
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