鎌倉初期の幕府を震撼させた曽我兄弟の敵討ち事件を描く『曽我物語』。日本人を魅了し、能や歌舞伎にも取り上げられながら、戦後GHQによりタブー視されたこの軍記物語を歴史学の視点から再評価。「真名本」を中心に『吾妻鏡』『玉葉』などとの綿密な比較検討を行い、文学的意図・虚構の意義を解明。兄弟を取り巻く人物像、敵討ち事件の史実に迫る。
序章 研究史ー『曽我物語』と中世社会/『曽我物語』と曽我事件(真名本『曽我物語』の構想と特徴/『吾妻鏡』における曽我事件の記事ー建久四年五月二十八日条の構成と編纂方法/『吾妻鏡』の曽我関係記事の原史料ーその性格と史料的価値について/建久四年の狩りの前提/『吾妻鏡』の曽我事件の描き方ー『吾妻鏡』史料論再説/源頼朝政権における曽我事件)/『曽我物語』の人物論(所領相論から見る『曽我物語』人物論/婚姻政策から見る伊東祐親/補論 生年推定ー『曽我物語』人物小考/流人時代の源頼朝/御家人としての工藤祐経/曽我兄弟の継父曽我祐信/曽我兄弟の置かれた歴史的環境)/『曽我物語』の中世的展開(軍記物語の比較文化論的考察ー『曽我物語』と『ニーベルンゲンの歌』を主な素材として/能「曽我物」成立ー『元服曽我』を主な素材として)
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