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一国史観・進歩史観では世界史はわからない。都市と田舎の違いとは。近世イギリスはなぜ晩婚社会だったのか。昼寝より残業を選ぶ心性はいつ生まれたか。世界で最初の産業革命はなぜイギリスだったのかーー。ヨーロッパ世界システム下、イギリスの民衆はどのような日常生活を送ったのか。イギリスの「繁栄」と「衰退」を捉え直し、日本の現在を考える。生活史、世界システム論を開拓してきた泰斗による近代史講義! 都市と田舎の違いとは。 近世イギリスはなぜ晩婚社会だったのか。 昼寝より残業を選ぶ心性はいつ生まれたか。 世界で最初の産業革命はなぜイギリスだったのかーー。 ヨーロッパ世界システム下、イギリスの民衆はどのような日常生活を送ったのか。 イギリスの「繁栄」と「衰退」を捉え直し、日本の現在を考える一冊。 【目次】 プロローグ 歴史学は終わったのか 第一章 都市の生活文化はいかにして成立したかーー歴史の見方 第二章 「成長パラノイア」の起源 第三章 ヨーロッパ世界システムの拡大とイギリス 第四章 世界で最初の工業化ーーなぜイギリスが最初だったのか 第五章 イギリス衰退論争ーー陽はまた昇ったのか エピローグ 近代世界の歴史像 【著者紹介】 川北稔(かわきた みのる) 一九四〇年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。大阪大学大学院文学研究科教授、名古屋外国語大学教授を経て、現在、京都産業大学文化学部客員教授、国際高等研究所副所長、大阪大学名誉教授。 主な著書に、『工業化の歴史的前提ーー帝国とジェントルマン』(岩波書店)、『洒落者たちのイギリス史ーー騎士の国から紳士の国へ』(平凡社ライブラリー)、『民衆の大英帝国ーー近世イギリス社会とアメリカ移民』(岩波現代文庫)、『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)、『アメリカは誰のものかーーウェールズ王子マドックの神話』(NTT出版)、『知の教科書 ウォーラーステイン』(編著、講談社選書メチエ)がある。 プロローグ 歴史学は終わったのか 第一章 都市の生活文化はいかにして成立したかーー歴史の見方 第二章 「成長パラノイア」の起源 第三章 ヨーロッパ世界システムの拡大とイギリス 第四章 世界で最初の工業化ーーなぜイギリスが最初だったのか 第五章 イギリス衰退論争ーー陽はまた昇ったのか エピローグ 近代世界の歴史像
レビュー(54件)
ありがとう
一度読んで、良かった、と感じていたので、 在庫があってうれしかったです。
世界史の辻褄が合う
久々に「目からウロコ」の近代歴史書を読んだ感じががした。イギリスの産業革命も、この著者の考察で理解すれば、世界史の辻褄が合う。なにより、現在の世界史学会が訓古の学になっているという謙虚さが好感を持てる。
学問の醍醐味を味わう
「さすがは川北先生です!」もう、この一言に尽きます。 学問、特に歴史学の醍醐味を存分に味わえる本です。
川北先生ならば
川北先生ならば購入しないはずがない、という意気込みで購入しました。深く考えれば考えるほど訳が分からなくなる学問の醍醐味のような本です。内容に関するレビューは浅学非才の私には無理です・・・。 政治史・社会史にかかわらず「イギリス」に興味のある方は購入されてはいかがでしょうか。 他のレビューにも書いているかもしれませんが、上っ面の政治史と少々の文化・社会史を覚えていて「歴史が分かった」気になっている人には、是非読んでほしいですね。
通史的な一般書ではなく、産業革命やジェントリ、世界システム論を、著者が縦横無尽に語った内容でした。 歴史家が過去(学問)に埋没してしまっていて、現代との関わりが薄くなってしまっているという著者の指摘はごもっとも。 著者には歴史学的な見地からアクチュアルに日本を語ってもらいたいとも思いました。