謀反により滅亡した肥後の豪族尾形氏の遺児・周馬弘行は、家臣の働きで信濃に逃れ、太郎として成長、ある晩、雷獣を捕えたことから雷太郎の異名をとる。その後、太郎は妙香山中で蝦蟇の精霊仙素道人から妖術を授かり、義賊・児雷也を名乗り、黒姫山に山塞を構え、妖術を駆使して、尾方家再興を志す。児雷也の前には、大蛇から生を享けた宿敵大蛇丸が現れ、尾方氏の血をひく怪力の美女綱手とともに、児雷也(蝦蟇)・大蛇丸(蛇)・綱手(蛞蝓)の三すくみの戦いが繰り広げられる。
いっぽう、鎌倉管領足利持氏打倒を図る執権犬懸禅秀は、持氏の伯父満隆、甲斐の豪族浦冨士輝景と共謀、さらに大蛇丸とも手を結び、謀反の旗を揚げる。禅秀謀反の報に接した児雷也は、管領足利持氏の元に馳せ参じ、禅秀討伐の策謀をめぐらす。信濃更科家、越後月影家、駿河今川家をも巻き込んで火蓋が切られた戦いの行方は? 児雷也と大蛇丸の宿命の対決の結末ははたして?
歌舞伎や映画、講談、浮世絵からマンガに至るまで、さまざまな媒体に登場し、また大きな影響を与え続ける、蝦蟇の妖術の使い手にして永遠の「ヒーロー」児雷也の活躍を、複雑かつ怪奇に絡み合う筋立てと、遠大かつ雄渾なスケールのなかに描きだした、江戸期合巻中の最高峰が、原本の全挿絵とともについによみがえる。京極夏彦氏、延広真治氏推薦。
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