透析治療に携わるすべての人(それは患者も含めて)が知りたいことは、目の前で行われている透析がよい治療なのか、そうでないのかということである。そして、もしよくないとしたらどのように変えていったらよいのかという道標である。
著者は長い経験によって、患者に負担のかからないよい透析を実践するため、愛Pod計画(Patient oriented dialysis)を導入して、日常臨床に取り込み、患者の負担を軽減している。愛Pod計画におけるよい透析とは、1血圧が下がらず安楽である、2透析後の疲労感がない、3かゆみ、イライラがない、4日常を快適に過ごせる、5体重が減らない、などというまさに患者のためのよい透析である。
本書を通じて、日本の透析医療が大きく変わり“患者の視点からの血液透析治療”が実践されて、医療者、そして患者が幸せになることを願うものである。透析医療に従事されているすべての医療関係者に必携の書としてお薦めする。
序 文
1. プロローグ
A 好奇心旺盛な老人たちと秋田の竿灯
B 九州の医者バイ
2. 適正透析・よい透析とはなにか
A 適正透析の指標
B よい透析の定義
3. 透析液清浄化の重要性
A ひょんなきっかけで
B 透析液清浄化の効果
4. HD・HDFにおけるダイアライザの選択
A ダイアライザ選択の着眼点
B 物質除去特性と栄養学的有用性
C 生体適合性とダイアライザの選択
5. MIA症候群の予防
A 長期透析合併症としての栄養障害
B 透析条件と栄養状態
C MISシートを用いたNST活動
D MISと生命予後
6. 愛Pod調査による患者愁訴のモニタリング
A どのような症状に着目すべきか
B 愛Pod調査に見る患者の愁訴
7. 透析低血圧対策
A 透析低血圧はなぜ悪い
B 透析液の清浄化・透析膜選択の重要性
C 心機能とシャント
D 適切なドライウエイトの設定
E 低血圧対策としてのオンラインHDF
F 透析液酢酸の悪影響
G 初回透析時の注意
H ゆっくりと条件を整える
8. かゆみ・イライラ・不眠対策
A 透析患者のかゆみの考え方
B 実際の透析処方
C われわれの治療成績
9. アミロイド骨関節痛対策
A 骨関節痛の考え方
B アミロイド骨関節痛に対する透析
C アミロイド症以外の骨関節痛
10. 高齢者透析のコツ
A 元気で暮らしているかどうかがもっとも大切
B 高齢者の透析処方
11. 透析プログラムの考え方
A トロントの在宅血液透析
B 患者への説明・長時間への誘い
12. 患者中心の療法選択
A 血液透析か腹膜透析か?
B 愛Pod的療法選択
13. 患者とのコミュニケーション
A インフォームドコンセントと患者様
B 峯岡智恵婦長の思い出
C 患者の思いと医療者の思いは往々にしてすれ違う
D 仕事のやりがい
E 日本語力を磨く・会話力を磨く
14. エピローグ
A 臨床医のあるべき姿
B 錦の御旗
C キッド&レンの誕生
D いかしたネクタイを締めて
謝 辞
索 引
付録1 MISと愛Podの流れ
付録2 MISシート
付録3 愛Pod調査票(ver. 3.1)
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