神話問題はシェリングが生涯にわたって追究し続けた主要テーマであったにも拘らず,従来の研究では,初期と後期に偏りがちであった。本書は,「新しき神話」創作断念後の中期神話論にもスポットを当て,その全貌に迫る。
[内容目次]
第一章 新しき神話
ーー初期シェリングの神話論ーー
一 人類の教師としての「新しき神話」
二 詩への帰還としての「新しき神話」
三 詩と神話における古代と近代
四 歴史の神々と自然の神々
五 神々の不在ーー「新しき神話」の不可能性
第二章 サモトラケーの神々
ーー中期シェリングの神話論ーー
はじめに
一 語りと弁証法または詩と哲学ーー『世齢』プロジェクトの「挫折」問題
二 「原存在者の発展史の記述」--『世齢』プロジェクトの課題
三 サモトラケーの神々とカベイロイの密儀
四 「太古の教義」--ヘラクレイトス説とヘスティアー信仰
五 「憧憬」としての万物創造の始まり
六 「多神崇拝」の「紐帯」としてのカベイロイの密儀ーー『神話の哲学』講義への道
むすびにかえて
第三章 神話の真理
ーー後期シェリングの神話論ーー
一 「多神崇拝への頽落」としての神話論ーー中期における神話論の転換
二 後期における『神話の哲学』講義群と『神話の哲学序論』講義第一部
三 従来の神話諸説
四 「神話の真理」--シェリングの神話
むすびにかえてーー「哲学的宗教」構築にむけて
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