- 20
- 4.29
公安捜査官「実名」ノンフィクション 東京・丸の内、三菱重工ビル。昼休みを終えようとするオフィス街に轟音と爆風が駆け抜けた。瞬く間に立ち込めた白煙、正視に耐えない遺体、身動きできない重傷者の上に容赦なく砕けたガラスの破片が降り注いだ。 現場に駆けつけた捜査官は、爆発の衝撃でコンクリートに生じたすり鉢状の孔に向かって心の中で語りかけた。 おまえら、やるのかよ。こんなことやっても世の中はなんにも変わりゃしないんだよ。なんでこんな罪もない人たちを殺すんだ。俺たちが「受けて立たなきゃいけない」じゃないかーー。 犯行声明を出したのは「東アジア反日武装戦線”狼”」。11件に及ぶ連続企業爆破事件の嚆矢だった。 史上最大のテロ「三菱重工業爆破事件」を引き起こした謎の犯人グループは、天皇暗殺まで企てていた。「狂気の犯罪」に警視庁公安部はどう立ち向かったのか。 捜査の指揮を執った土田國保警視総監の日記を初公開。日本で初めての公安捜査官「実名」ノンフィクション。今、最大の秘密組織がヴェールを脱ぐ。
レビュー(20件)
公安警察の捜査の真骨頂がよく理解できるノンフィクション。地道な捜査過程が丁寧に描写されている一方、土田邸爆破事件や土田家に関する記述やビル爆破で犠牲になった三菱重工社員の家族の話の二箇所については、涙を禁じ得なかった。
連続企業爆破事件
捜査員の中に古川原さんという人が出てくるが、この人は後にオウムの井上死刑囚を尋問した人。 門田さんには古川原さんの足跡を辿った本も書いてほしいです。
読書
久々読みましたが、左翼の恐ろしさを感じます。