例えば初めて固定翼を唱えたケイリー,初めて機体を全て金属で製作したユンカース,初めジェットエンジンを唱えて開発したホイットル.こうした鬼才たちは当時の技術思潮のなかでは異端であった.19世紀以前の羽ばたき機から20世紀のジェット推進機まで,異端から始まった飛行機技術の歴 史と彼らの人物像を語る.
【推薦】 一般財団法人日本航空協会 会長 野村吉三郎 氏
今日に至るまで、飛行機の開発は叡智のバトンを次の世代に渡していくリレーであり、科学と技術によって未知の領域を開拓する「知の冒険」であることを、本書は教えてくれます。例えば、1903年にライト兄弟の飛行機が飛行したことは画期的な出来事でしたが、その成功の基礎には地道に実験を繰り返した先人たちの力強い助走ともいうべき活動があったことが、本書を読めば理解できます。航空機は大きな発展を遂げましたが、まだゴールに到達したわけではありません。これからの航空宇宙分野、そして科学技術全般の進歩のための新たなヒントを、本書は与えてくれるものと思います。
はしがき
第1章 序文
第2章 暗中模索:19世紀以前の航空学
タワージャンパー
羽ばたき機とレオナルド・ダ・ビンチ
科学革命
流速二乗則:論争
ニュートンの正弦二乗法則:ブレーキを踏む
回転アームの発明:ベンジャミン・ロビンス
ジョン・スミートンとスミートン係数
気球
第3章 一進一退:19世紀における航空の進歩
現代的な構成を持つ飛行機の概念:ジョージ・ケイリー
空中蒸気車:ウィリアム・サミュエル・ヘンソン
最初の有人跳び:フェリックス・デュ・タンプル
二番目の有人跳び:アレクサンドル・モジャイスキー
固有安定性:アルフォンス・ペノー
大きな分断:大学の研究者達と飛行機の発明家を志す者達
英国航空協会
風洞の発明
キャンバー翼型:ホレイショー・フィリップス
巨大飛行機:ハイラム・マキシム
事態は好転する:オットー・リリエンタールの空気力学とグライダー
飛行機の技術的実現性を示す:サミュエル・ラングレー
凋落:失敗したラングレーのエアロドローム
19世紀の飛行機技術:追想
第4章 真の始まり:ライトフライヤー
オービルとウィルバー:その人物像
ライト兄弟の最初期の技術:1899年凧
1900年グライダー
1901年グライダー
問題は何か
風洞実験
1902年グライダー
1903年ライトフライヤー
成功
飛行機技術:ライト兄弟による貢献は何か
航空工学が飛び立つ
第5章 勘と経験による設計:支柱とワイヤを持つ複葉機の時代
構成の進化:第一段階
1917年の航空工学の例:SPAD XIII
空気力学の進歩
推進装置の進歩
構造の進歩
飛行機設計方法の進歩
全金属製飛行機:フーゴー・ユンカース
第6章 最初の設計革命:成熟したプロペラ推進飛行機の時代
成熟したプロペラ推進飛行機の標準型とは:DC?1からDC?3へ
飛行機構成の一覧:1930?1953年
空気力学の進歩
流線型化
NACAカウリング
系統的な進歩:翼型空気力学
空気力学理論
飛行機への影響
推進装置での進歩
液冷エンジン
空冷星型エンジン
過給機
可変ピッチプロペラ
高オクタン価燃料
構造の進歩
飛行機設計工程の進歩
P?51ムスタングの設計
飛行機レース:技術強化に繋がったか
突然,未来が訪れる
第7章 第二の設計革命:ジェット推進飛行機の時代
航空学の革命:ジェットエンジン
読者への注意
ジェット輸送機の模範を示す:ボーイング707
飛行機構成の一覧:1950年から現在まで
空気力学の進歩
圧縮性問題:最初の兆候(1918?1923年)
圧縮性剥離泡:NACAの将来に大きな影響を与えた研究(1924?1929年)
謎は解かれた
現代高速空気力学への出発点と後退翼の概念:1935年ボルタ会議
空気力学の空白を埋める:高速研究飛行機
同床異夢:ベルX?1
音の壁を突破する
神秘を探る:遷音速空気力学
エリアルールとスーパークリティカル翼型
高速飛行での空気力学の飛躍的進歩:後退翼
極超音速飛行の空気力学:鈍頭形状革命
推進技術の進歩
革命の中で起こった革命:ターボファン
構造の進歩
飛行機設計工程での進歩
ボーイング707の設計
ペーパーレス飛行機
ジェット推進飛行機の時代:それはこれからも続く
未来はどうなるか
参考文献
索引
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