子どもの学びを支え、創造性と自主性を培い、批判的精神を形成する学校図書館。その教育的意義や歴史的経緯を再確認し、外部の力学からの独立を訴え、特定の図書の閉架や「焚書」の検証を通して、子どもの成長に不可欠な対話力を備えたあり方を提言する。
はじめに
第1章 『はだしのゲン』の提供制限問題
1 『はだしのゲン』が閉架に
2 世論の動向、そして「撤回」へ
3 『ゲン』に関する教育委員会会議の内容
4 『ゲン』問題から学校図書館を考える
第2章 学校図書館の「自主性・自立性」
1 学校図書館資料に対する「主体性」の確保
2 学校図書館に関する専門的知識・技能ーー学校図書館担当者、校長の「校務」
第3章 「自ら考え自ら判断」する態度を養うーー「皇国民」教育、「自発的学習」、そして学校図書館への期待
1 学校図書館の母体としての「新教育」
2 「批判的精神に乏しく権威に盲従」--言論弾圧の治安立法
3 「批判的精神に乏しく権威に盲従」--国定教科書による思想統制
4 「生徒が自ら考え自ら判断」--教育観の転換と学校図書館
5 学校図書館への期待
6 教育改革の「視座」としての学校図書館
第4章 教育の多様性、そして学校図書館
1 教育の多様性ーー教科書との関連
2 学校図書館資料ーー教育委員会「改革」との関連
3 「環状」にある民主主義と図書館、そして教育
4 日本国憲法に規定された人権群ーー図書館、教育と関連して
第5章 学校図書館の力、子どもを変える力ーー「教育課程の展開」「健全な教養」と結び付け
1 「教育課程の展開」と学校図書館
2 「健全な教養」の育成と学校図書館
第6章 「ファースト・アメンドメントは、ぼくのものになった」
1 『誰だ ハックにいちゃもんつけるのは』
2 「子どもの権利条約」と学校図書館
第7章 検閲は「生徒の知的、精神的成長を妨げる」--『学校図書館の検閲と選択』に学ぶ
1 学校図書館への「検閲」
2 「検閲」への対処方法
3 わが国の問題に引き付けて
第8章 「書物を焼くものは、早晩、人間を焼くようになる」
1 『アンネ』、相次ぎ破られる
2 「自由にものが言えなくなる時代」--ナチスによる焚書
3 アメリカ図書館協会の長き苦闘
4 『敦煌』--人間の「思い」は時空を超えて
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