■定価 1,980円(本体1,800円+税)
■小説×解説で、技能実習制度の本質がわかる。
──夢やぶれた技能実習生が、未来を取り戻す物語。
ベトナム中部、フエ。現地の大学を卒業したアインは、金銭の魅力と日本への憧れから、技能実習生として日本で働く道を選んだ。いわれるままに学歴を詐称し、大卒者であることを隠して日本で働くアインは、単純労働の繰り返しの果てに、ひとつの事実に気づく。彼女の将来の可能性は、もうどうしようもないほどに行き詰まってしまっていた。
米国国務省によって、制度を悪用した強制労働の存在を指摘されるなど、さまざまな視点から問題が提起されている日本の技能実習制度。本書では、行き詰まる実習生たちの挫折と再起を描く「小説」と、ベトナムで教鞭をとる著者自身の手による「解説」という両面から、技能実習制度の本質が描かれる。
一時の金銭と引き替えに、技能実習生たちは何を失うのか。そして、日本という国の将来に、技能実習制度はどのような影響を及ぼしていくのか。ベトナムで元・実習生の再教育に携わってきた著者の紡ぐ物語と解説が、日本の「いま」を明らかにする。
■映画『縁の下のイミグレ』原案作品
実写映画『縁の下のイミグレ』(なるせゆうせい監督作品、2023年公開)原案作品。映像を通して、本書が提起する技能実習制度の問題をより深く理解できる。
■目次
はじめに
主な登場人物
第1部 碧い空の上。trên bầu trờixanh.
解説1 アインの決断──ベトナム技能実習生
解説2 技能実習制度──「現実」の歪み
解説3 「問い」から見えるもの
解説4 呪縛
第2部 碧い空の中。trên đường đến bầu trờixanh.
解説5 行政書士と在留資格制度
解説6 「ベトナム人犯罪」
解説7 評価されるキャリア
解説8 技能実習制度の歪み、その正体。あるいは、文化資本のギャンブル的変容。
第3部 碧い空の下。dưới bầu trờixanh.
解説9 在留資格制度における〈実務経験〉と〈上陸拒否期間〉
解説10 評価されるキャリアと日本の実像
解説Ⅺ 日本の「簿外債務」=負の社会関係資本
エピローグ アインが見た、碧い空。
あとがき
レビュー(6件)
主人公に全く感情移入できません
主人公は出来すぎ。 派遣先のパートさんのおかげで行政書士と知り合ってあれよあれよ。 主人公の技能実習生時の事はほとんど全く記載がなく、むしろ親や技能実習生時の借金は完済な上に貯金まで出来ている。 むしろお友達が本題。そのお友達を「あまり考えがない」と無意識に見下す主人公にイラッとくる。 お友達は恵まれてる主人公に嫉妬することもなく、本当にいい子だった
正直、主人公のアインみたいなハッピーエンドを迎えられる人は、ごくわずかで、むしろ、「アインの先輩」のようなケースが多いとは思いますが… でも、技能実習生の実態を小説だからこそ描き切れた、そういう作品だと思います。
実務、社会問題、物語、と様々な側面から楽
専門書として、行政書士、また目指す者が読むべき側面がありながら 物語としても読み進めたくなる素晴らしい内容でした。法律や行政手続きの堅苦しい印象が、作者の実務家の経験から必ずしも画一的な解決法だけでないことも描かれていることや、作者の様々な実体験もうまく反映されていることからリアリティもあり面白かったです。