藤枝静男は私小説作家である。ときに人は、彼を極北の私小説作家と呼ぶ。辞書によると「極北」とは「物事が限界にまで達したところ」という意味らしい。つまり、限界まで達した私小説作家ということか。
藤枝静男は一般的にはあまり多くの人に知られてはいない。だが、作家・評論家の中には(私小説という枠を超えて)日本近代の作家たちの中で特に重要な一人に挙げる人もいる。それが彼を極北の私小説作家と呼ばせる所以の一つとも言えるだろう。
これほどまでに読者だけではなく、評論家や他の作家たちに敬愛され、彼らを虜にする藤枝静男の生涯、彼の作品、そして彼を支えた家族たちのことを見ていこうと思う。
はじめに
一、藤枝市、生家
二、学生時代の挫折
三、結婚と小説
四、妻の病気
五、私小説の日々
おわりに
後 記
主要参考文献
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