明治のなかば、映画の渡来時に残された短いフィルムの断片、日本映画が自立するための試行錯誤、そしてプロレタリア映画運動が弾圧され、次いで戦意高揚のために政府・軍部が主導した映画、さらに占領軍の視線の下での戦後映画の出発──。ナショナリズムが大きくせり出してくるなかで、時代の波に揺れ続けた日本映画の姿と、その渦中に生きた映画人たちを描く。
[1]日本映画の出発と展開
第1章 映画の渡来──エジソン映画と日本
第2章 模索する「日本映画劇」
第3章 海外進出の願望と実態
[2]プロレタリア映画運動の闘争と挫折
第4章 武器としての映画──「プロキノ」運動と佐々元十
第5章 村山知義とプロレタリア映画運動
第6章 「日本脱出」までの佐野碩と映画
[3]記録・教化・宣伝
第7章 台頭期のドキュメンタリー映画と記録映画
第8章 映画時代と機械芸術──板垣鷹穂の「映画教育」観
第9章 映画広報とプロパガンダ──外国語版「日本映画年鑑」の刊行
第10章 「映画戦」への遠い道程
[4]全体主義の影の下で
第11章 日本映画とナショナリズム
第12章 アジア主義の幻影──日本映画と「大東亜共栄圏」
第13章 ナショナリズムとモダニズム──「あの旗」は撃ち落とされたか
第14章 戦前日本映画における天皇像
[5]閉ざされた目・開かれる目
第15章 占領初期の日本映画界
第16章 『明治天皇と日露大戦争』と大蔵貢──懐旧と復古
日本映画関連略年表(一八九三─一九五二)
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