日本とは何か。かつて、この命題を身もだえしながら思索した人たちがいた。「日本的などというものは虚妄だ」という言説に、詩人・萩原朔太郎は、自分にとって「日本的なるもの」があることは、その「自我」の存在と同じほどに「確信できる事実」だと反論し、自らが個我であることの否定しえぬ実感に賭けていった。この困難な命題を、一部の国民国家論のように「日本とは、国家イデオロギーが生み出した幻想にすぎない」と切り捨てて済ませることはできない。萩原をふくめ、文学者・科学者・アナキストなど5人の知性が求めた「日本的なるもの」というものを読みとき、思想史の新しい地平を拓く。
はじめに
第一章 イデーとしての日本ーー萩原朔太郎ーー
第二章 イロニーと日本ーー保田與重郎ーー
第三章 科学と「日本精神」--古屋芳雄ーー
第四章 ニヒリズムと「日本主義」--辻潤ーー
第五章 「愛国心」とは何かーー石川三四郎ーー
おわりに
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