『種の起源』は、今日でも読む価値のある科学書の古典として知られてはいるが、科学技術先進国アメリカですら過半数の国民が、ダーウィンの唱える人間の進化ー全ての生物は共通の祖先から時間をかけて徐々に変化してきたーを否定しているなど、出版から一六〇年以上たった今日でも、「進化」という概念が一般社会で広く認められているとは言えない。そして、時として大きな誤解や曲解のもと、人間や社会を暴走させている。それはいったいなぜなのか、そして、その暴走が人類に何をもたらしているのか。ダーウィンと同時代を生きた科学者、思想家、政治家などの人間観、生命科学の原則を共有しない「人間科学」が孕む歪、そしてコミュニケーションや思考を奇妙な方向に発展させていく人間固有の能力「言語」など、科学領域に留まらず、幅広い視点から、進化と暴走の行方を考える。
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