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朝廷の大軍を退けた蝦夷たちの前に、智将・坂上田村麻呂が立ちはだかる。威信を懸けた朝廷の逆襲がはじまった。信に足る武人・田村麻呂の出現で、阿弖流為は、民のため命を捨てる覚悟を決めた。北の大地に将たちが1人、また1人と果てていく。蝦夷の心を守り戦い抜いた古代の英雄を、圧倒的迫力で描く歴史巨編。(講談社文庫) 蝦夷を救った古の勇者阿弖流為の壮絶な生涯朝延の大軍を退けた蝦夷たちの前に、宿敵・坂上田村麻呂が立ちふさがる。「都と対等の国家」建設の夢のため阿弖流為は命を捨てる覚悟をする。著者渾身の長編小説 宿敵 血闘 黙示 火怨
レビュー(115件)
「火怨 上 北の燿星アテルイ」に続いて購入しました。高橋 克彦の歴史本が好きでよく読んでいます。とにかく歴史本はわくわくしますし、知っているようで、実はぜんぜん知らなかったということを教えられます。史実を踏まえての話は勉強になります。
本書は、陸奥の国の王者アテルイと、天皇の使者・坂上田村麻呂との間の、壮絶な戦いが描かれた歴史ロマンである。話のテンポが良いので一気に読み終わった。ただ、残念なのは、戦闘状態に至る歴史的・社会的な要因についての記述が極めて少ないという点だ。
アテルイは古代世界を知る鍵
いつから語ることができなくなっていたのか。東北人こそこの存在に気付き、朝廷に支配されて行った歴史を知ってほしい。彼や彼の仲間がいた上下のない時代があったことを。今の時代だからこそ知ることに価値があるのだとわたしは考えました。
心の書
岩手出身の者は読んでおくべき本です。高橋氏の作品の頂点です。
第34回(2000年) 吉川英治文学賞受賞作品。テンポよく読み進められます。読後感は好みがわかれるかもしれませんが、この時代に興味があるなら必読だと思います。