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美しいプリンス・エドワード島で愛されて成長していく少女アン。幸福感あふれる名作の日本初の全文訳。 訳文は、お茶会のラズベリー水とカシス酒、アンの民族衣裳、スコットランドから来たマシューの母など、モンゴメリの原作に忠実に、全文を、みずみずしく夢のある文章で訳した真実の物語。 巻末の訳註では、作中に多数引用されるシェイクスピア劇など英文学と聖書の句、スコットランド系アンとアイルランド系ダイアナなど登場人物の民族、19世紀カナダの衣食住、キリスト教、草花とハーブをくわしく解説。 口絵には、リンド夫人が棒針で編むキルト、アンとマシューが初めて出逢う駅のモデル、マシューが愛するスコットランドの薔薇など、物語に描かれる品々や場所の写真を11点掲載。 松本訳の旧訳『赤毛のアン』の訳文と訳註を、全面的に改稿した新訳! 児童書でも、少女小説でもない、大人の心豊かな文学『赤毛のアン』。
レビュー(54件)
中学生の時に愛読していたのですが、引っ越しの時に手放してしまい久しぶりに読みたくなって購入しました。 以前愛読していたのは村岡花子さんの訳の物でしたが、調べてみると村岡さんのは新版となっていて、訳自体も村岡さんのお孫さんが手を入れていて別物になっていると知ったので、改めて買うにしても村岡さん訳にこだわる必要ないと思いこちらを購入しました。 あらすじは完全に覚えているにもかかわらず、説明が丁寧なので以前読み流していたところもこういうことだったのかと発見があったりしました。
やっと読めました。赤毛のアンはアニメを見たし、児童書で読んだ程度だけど、全訳版、やっと読めました。これからシリーズ全巻を制覇しようと思います
「赤毛のアン」は今まで読んだことがなく、他の訳者の「赤毛のアン」は私には合わなかったのですが、こちらは続編も全て出版されていて、同じ翻訳でシリーズの最後まで読みたいので、こちらを購入しました。 アンの空想好きには時折ついていけないこともありますが、読み応えもあり、訳注の解説も詳しいです。 (本文と解説とで2枚の栞を挟んで読み進めました) ただ、ダイアナのセリフ(16章のお茶会)で「むかつくのよ」と「てんで」とあったのはいただけなかった。 「てんで」なんて昨今は使いません。 原文のその箇所をネットで読んでみましたが、ダイアナの育ちなどの設定から考えると、言葉の選び方が良くなかったと思います。 「むかっとする」「全然」などが適当かと思います。 あと、解説で、今後の展開がわかってしまう記述がいくつかあったのには困惑しました。 「赤毛のアン」をもう知っている人ならいいのでしょうが、私はそうではないので。
素晴らしい一冊
久しぶりに心躍るような素晴らしい本に出逢えました。 赤毛のアンのストーリーは知っていましたが、細かいところにシェイクスピアや聖書の言葉が込められていたり、地名や登場人物の名前から、アンが祝福された人生を歩むことを示唆されていたり、モンゴメリの心と、訳者の愛が込められているような作品です。 本著は、後ろ5分の1ぐらいが注釈で占められており、私は注釈から読んで、一気に本文を読み切りました。 良い人生を歩むために必要なことが何かを感じさせてくれる作品です。 続けてアンの青春も購入しました。
モンゴメリの信仰、希望、愛。
モンゴメリが牧師夫人と知って、懐かしい「赤毛のアン」を読んでみたくなった。 と言っても小学生の頃に私が読んだのは、映画を書籍化したオールカラー「赤毛のアン」(金の星社)だったので、原作からは遠い作品だったらしい。今回購入時に、村岡花子さんの訳と松本侑子さんの訳と迷い、色々調べて知った。 最初の「赤毛のアン」から30年以上も経って、やっと本物のアンに、それも世界初の全文訳・訳註付きで出会えて本当に感動した。 何よりクリスチャンの私にとって、金の星社の「赤毛のアン」には登場しなかったアラン夫人(牧師夫人)の存在が心に響いた。 執筆当時、モンゴメリは牧師と婚約中だったことから、自身の未来を夢描くように、理想の姿としてアラン夫人を書いたのかもしれない。 本文P.273より ほかの人にいい影響を与えるように、いつも気を配りなさいね、とアラン夫人は言われたの。夫人は、どんなことだって、それはすてきに話すの。信仰がこんなに楽しいものだとは、知らなかったわ。信仰って、陰気なものだとずっと思っていたけど、アラン夫人は違うの。アラン夫人のようになれるなら、私もクリスチャンになりたいわ。 本文P.369より だって、アラン夫人に包み隠さずお話ししたいのに、賭事をしたなんて言えないもの。牧師の奥さんに言えないようなことは、悪いに決まっているわ。牧師夫人がお友だちだと、良心がもう一つ余分にあるみたいで、いいわね。 モンゴメリの神への愛なくして「赤毛のアン」は生まれない。クリスチャンは福音を宣べ伝える使命がある。彼女の忠実な働きは神に祝福され「赤毛のアン」は世界的に有名な文学作品となり、今日まで多くの人に愛され希望を与え続けている。また長い年月を経て、松本侑子さんによって全文訳・訳註付きで出版されたことにも、神の摂理を感じる。この神を心から賛美し、アンと出会えたことに感謝の祈りを捧げたい。 「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。愛は決して滅びない」 「赤毛のアン」を読むと浮かぶ聖句の一つ。 コリントの信徒への手紙一13章4節から8節a 新約聖書(新共同訳)から引用。